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現在、俺氏アレンは騎士から逃れるべくありとゆる手段を用いて逃走を図っていた。
裏路地の危ない店が立ち並ぶ通りの数々
下水道の地下通路
雑木林に並ぶ誰かが作った隠し通路
もはや王族というよりかはスラムを生き抜く少年のような勢いで騎士たちを撒いていく。
「ふう、ここまで来れば追ってこれないだろ。」
そこは王都防衛壁外の片隅の常緑樹たちが並ぶ中穴のように開いた様々な花が並び大きな生物の骸が存在するある種のパワースポットを思わせるような場所。
「なんかいい夢見れそうな場所だな。」
俺は骸に背中を預けてそのまま眠った。
スキル『怠力』発動
この地に眠る魂の経験力を肉体に植え付けます。
パワースポット、俺にとってそう呼べる身近な場所は近所の神社くらいだった。神主さまが言うにはうちの神社は歴史にも出てくる神様で飢饉を司りし地方神だそうだった。そして神主が言うには人の魂が集まって大きな力となったと聞いた。ならばそれにすがる人間も魂のもつ経験が欲しがるから神社に来るのだと教えるような人物ではあったがあながち間違いでもない気がする。
そんな懐かしい夢を見た時、ピタッと何かが張り付いた音がした。
「ん?」
寝返りを打って再度寝ようとすればまたピタピタと何かが俺の頬を触れて起こそうとしてきた。
「むにゃ、いったいなんだ?」
そこには大きな動物の代名詞ともいえる象がいた。大きな象は長い鼻でこちらに触れ頭を撫でてきた。
「?」
俺は意味が解らないといった顔で首を傾げた。すると象は自分のことがいまいち通じていないことを理解すると何やら文字を空中に書き始めた。
文字自体は知らないアレンであったが自然と頭に意味合いが入ってきた。
・わたしの妻のところに遊びに来てくれてありがとう・
「偶々サボりに来たところがここだっただけだよ」
・それでもわたしの妻の魂はとても喜んでいるようだったからね、君は転生者かな・
「そうだけど貴方は?」
・これは失礼した、わたしは霊象のシタダッタ。もうわたし1頭しか存在しない種族さ・
「そっか、しばらくここを遊び場にしてもいい?」
普通なら2、3こ突っ込みを入れるべきなのだが常識は異世界に来た時点で捨ててきたためツッコミを忘れてしまったアレンはそのままスルースキル『我儘に生きる』を発動し交渉しに行った。
・構わないよ、わたしももうすぐ寿命だし心が綺麗なモノしかここにはいられないからね・
「うんじゃあしばらくここを遊び場《サボり場》にするから。」
これのどこが綺麗な心なのだろうか。少なくとも日本では綺麗とは認識されない結構ゲスな心を持ち合わせているアレンなのであった。
できればお星さまを塗りつぶして




