表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万葉恋歌  作者: 舞夢
84/1385

筑紫娘子の、行旅に贈りし歌

筑紫娘子の、行旅に贈りし歌一首 娘子、字を児島と曰ふ

家思ふと 心進むな 風まもり よくしていませ 荒しその道

                    (巻3-381)

家を恋しがって、そんなに大急ぎしないでください。

風向きを、しっかりと見ていただきたいのです。

大和への海路は荒く危険なのですから。


作者の筑紫娘子は、遊行女婦。

おそらく大宰府官人たちの帰京を見送る時の歌。高位の官僚は陸路使用を義務付けられていたため、坂上郎女を送った時とも言われている。

天平二年十二月に大伴旅人が筑紫から大和に帰京する際にも、同じ児島という女性が、送別の歌を贈っている。


交代でまた新しい官人が来ると言っても、慣れ親しんだ官人が去るのは寂しい。

また、都までの危険な旅路は用心して、欲しい。

怪我や命を落とすことがないように、慎重にとの心を歌う。

定例的な送別言葉と言ってしまえば、それまでだけれど。お互いに「気持ち」が全くなかったとは、思いたくない。

人間のと人間の心は、情が移るものであるし、辞令が出たから「はい、それでは」と気持ちを切り替えるような杓子定規には、進まない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ