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出で去なば 天飛ぶ雁の 泣きぬべみ
出で去なば 天飛ぶ雁の 泣きぬべみ 今日今日と言ふに 年そ経にける
(巻10-2206)
私がこの家から出て行ってしまうと、天高く飛ぶ雁が鳴くように、あなたも泣いてしまうと思うので、今日こそは今日こそはと思いながらも、ついに年を越してしまいました。
秋の相聞歌に分類されているから、基本的には男女間の歌。
男には、女の家を去らなければならない事情があったにもかかわらず、泣かれるのが不憫でそのまま居座り、年を越してしまった。
現代人から見れば、男のほうが未練が強いような気がするけれど、それ以上他の男女の関係を詮索するのも、また無粋である。




