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秋萩を 散らす長雨の 降る頃は
秋萩を 散らす長雨の 降る頃は ひとり起き居て 恋ふる夜ぞ多き
(巻10-2262)
秋萩を散らしてしまう長雨が降り続くこの頃は、眠ることもままならず、ひとりだけで起きていて、貴方を思う夜が多くなるのです。
やはり長雨の時期になると、誰でも出歩きはためらいがちになる。
この歌を詠んだ人(おそらく女性)は、夫が訪れて来ないのは基本的には長雨のせい、と思っている。
ただ、それでも不安はある。
もしかして他の女に通うようになったのか、自分は捨てられてしまったのか、と思った時点で、ただひとり眠ることもままならず、夫の心を思い続けることになる。
待つ女の歌としては、相当な名歌と思う。




