表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万葉恋歌  作者: 舞夢
7/1385

草まくら旅行く君と知らませば

長皇子(ながのみこ)の御歌


(あられ)打つ 安良礼(あられ) 松原住吉(すみのえ)の 乙日娘(おとひおとめ)めと 見れど飽かぬかも


長皇子の御歌


安良礼あられ 松原は、住吉の乙日おとひ娘子をとめと一緒で、いくら見ていても飽きることはない。

※霰打つは、「安良礼 松原」を導く枕詞。

※乙日娘子は、住吉港の遊女か、あるいは皇子を接待した当地の有力者の娘なのか、諸説あり、未詳。


長皇子は、風光明媚な安良 松原と、土地の娘子を並べて讃えている。

ここも、ずっと見ていたい素晴らしい風景であるけれど、娘さん、あなたも、それと同じ、素晴らしく可愛らしい、ずっと見ていたいと甘い言葉をかける。


それに対して、当の住吉の娘子


草まくら 旅行く君と 知らませば 岸の埴生はにふに にほほさましを


清江(すみのえ)娘子(をとめ)の長皇子に進たてまつりしものなり 姓氏未だ詳つまびらかならず 

                         (巻1-69)

 

旅をするお方と知っていたのなら 住吉の岸の黄土で お染めしてさしあげたのに。


清江の娘子は、「一夜限りのお方と知っていたならば、もっと心を込めて接してあげたかった」という気持ちを、「この住吉の埴土で衣を染めて差し上げたかった」と、雅やかに、別れの哀しみを歌う。


※住吉の埴土は、赤や黄の顔料として、有名だった。



貴人と、港の有力者の娘の一夜限りの熱い交情だったのだろうか。

遊び慣れた貴人と、遊び客を扱いなれた遊女の、お決まりの言葉のやり取りなのだろうか。


さて、受け取り方は、それぞれ。

今さら、真実を確かめるのも、野暮な話になる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ