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太宰師大伴卿の、酒を誉めし歌(11)
この世にし 楽しくあらば 来む世には 虫にも鳥にも 我はなりなむ
(巻3-348)
この現世において楽しくしていられるのなら、来世は虫でも鳥になってもかまわない。
仏教の戒めで、大酒飲みは不善諸悪の根本であるので、来世は人ではなく虫や鳥にされてしまうようだけれど、そんなことはかまわないと詠む。
酒を飲んでこの世を楽しく暮らせば、それで満足。
享楽に走るといえば、その通り。
酒のみの気概は、御仏の戒めなどは、気に掛けることはない。
・・・酔いも、相当まわってきたような気がするけれど、この歌も楽しい。