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太宰師大伴卿の、酒を誉めし歌(5)
言はむすべ せむすべ知らず 極まりて 貴きものは 酒にしあるらし
(巻3-342)
言葉にはできないほど、どうしようもないほど、この上なく貴いものは酒らしい。
余程酒が好きなのか、あるいは相当酔っぱらってしまったのか、ここまでの酒誉めは驚くよりは、笑ってしまう。
どれほど美味しい酒なのか、どれほど楽しい仲間と飲んだのだろうか。
宴会も最高の盛り上がりの時に詠んだのだろうか。
百薬の長と言う言葉があるけれど、それに匹敵する歌と思う。