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太宰師大伴卿の、酒を誉めし歌(4)
第60話 太宰師大伴卿の、酒を誉めし歌(4)
賢みと 物言ふよりは 酒飲みて 酔ひ泣きするし 優りたるらし
(巻3-341)
自分は賢いんだと思って偉そうなことを言う人よりも、酔っぱらって大泣きする人のほうが、よほど好感が持てるようだ。
杓子定規で、人の情趣や弱さを理解できない。
ただ、どこかの本で読んだだけの知識を実は理解してもいないのに、人を小馬鹿にするような態度で言い責める。
自らの至らなさは認めず、他人を責めるだけ、いつも上から目線の人。
そんな賢こぶった人よりは、酒を飲んで酔って本音を言って泣く人のほうが、まだ増しで、好感が持てる。
こんな感じだろうか。
これも、名言、その通りとしか、言い様がない。




