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太宰師大伴卿の、酒を誉めし歌(2)
酒の名を 聖と負せし 古の 大き聖の 言の宜しき
(巻3-339)
酒を聖人と名付けた、古の大聖人の言葉は、誠に素晴らしいものがある。
禁酒令がだされていた古代中国魏の時代に、酒好きな人は濁り酒を賢人、清酒を聖人と呼んだという説話がある。
こうなると酒は、酒ではない。
聖人となれば、お付き合いをするべき、尊敬するべき存在に昇華する。
こういう面白い名付けは、大好きであるし、確かに尊敬に値する。
大伴旅人氏の酒好きは、後の世の酒飲みに、この上ない酒を飲む理由を与えてくれるようだ。




