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朝ごとに 我が見るやどの なでしこの
笠女郎の、大伴宿祢家持に贈りし歌一首
朝ごとに 我が見るやどの なでしこの 花にも君は ありこせぬかも
(巻8-1616)
毎朝、私が見る庭のなでしこの花のように、あなたを毎朝見ることができたらと思うのです。
全く訪れて来ない大伴家持に、毎晩でも来て欲しい、そのまま泊まってもらって、毎朝みるなでしこの花のように、貴方を毎朝見たいと願う。
あるいは、本当に珍しく逢瀬があった時に、家持に直接詠んで贈った歌なのかもしれない。
いずれにせよ、笠女郎からの強い思いを感じる歌である。




