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畳薦 牟良自持が磯の 離り磯の
畳薦 牟良自が磯の 離り磯の 母を離れて 行くが悲しき
(巻20-4238)
※畳薦:マコモ(イネ科の多年草)で作った敷物。牟良自にかかる枕詞
※牟良自が磯:岸から離れた沖の磯。
右の一首は、助丁生部道麻呂
※助丁生部道麻呂:助丁は国造丁に次ぐ身分の防人。生部道麻呂は伝未詳。
岸から離れてしまった磯であるように、私も愛しい母から離れて航路を進むのが実に悲しいのです。
出発時の歌とする説もあるけれど、船に乗って岸から離れ、母からも遠く離れてしまった悲しみとしたほうが、わかりやすい。




