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十六年四月五日、独り平城の故宅に居りて作りし歌六首(1)
十六年四月五日、独り平城の故き宅に居りて作れる歌六首
※十六年四月五日:天平十六年(744)四月五日。尚、聖武天皇は近江紫香楽宮に行幸中。内舎人の家持は、本来は行幸に従うべき。何らかの事情があり、「独り平城京の自宅にいたらしい。安積親王の服喪とも、しかし正確な理由は不明。
橘の にほへる香かも ほととぎす 鳴く夜の雨に うつろひぬらむ
(巻17-3916)
橘の素晴らしい香りは、鶯の鳴く今夜の雨で、消え失せてしまったでしょうか。
万葉集には「香り」を詠んだ歌は少ないけれど、貴重な一首である。




