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虚視  作者: uto-pia (translated)
12/15

騒然

 夜の街で、突如としてそれは起こった。

 光る空、奏でられた音色、美しき光景。

 それを見た友は、私を連れて特異点へと向かう。凄まじい高さを誇るそれを前にして私は圧倒されたが、友は強引に私を連れ込んだ。


 いや、それは友だったか。

 今となっては覚えていないが、少なくともそのときの私にとっては間違いなく友であった。


 花火の正体は紙吹雪だった。

 音色の発生源は建物に写された映像だった。

 光景の中心は、そこに佇む一人の彼女だった。

 彼女は私たちを歓迎した。その瞳は透き通っていて、友も私もそれを拒むことを考えなかった。

 彼女は一人でその建物を守り続けていた。私たちは、明日もここへ来ることを約束した。


 だが私の中では、この建物へ入りたくないという気持ちが強かった。

 彼女が嫌いなのではない。だが結局、私は次の日彼女と会うのを大きく遅らせることになった。

 それでも彼女は、遅れてきた私を叱ることなく迎え入れてくれた。

 彼女はこんなに優しかっただろうか。彼女の知らないはずの私は、彼女の現在を疑っていた。


 花火が止まない。

 彼女と私は街を眺めている。

 虚構が終わる。

 全てが崩れ去る。

 問題は虚構そのものでない

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