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『山菜日和』  作者: 更夜
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ハタタ山


この世の果てに聳えると言われる大きな山脈、スンダ山脈。

その中でも一番大きく悠々と居座るのが、この深い青に染まるハタタ山だった。

ハタタ山は他の山より霧が濃いことでも有名で、山登りに慣れた人間でさえ簡単には受け入れてはくれない、険しい山だった。

そんなハタタ山を、人々はサーラン・サン《霧の神の山》とも呼んでいた。

そんなハタタ山には、人々の知らないような美しい湖や洞窟、そして稀少な動植物も数多く生息していた。

大きく伸びるタイプの木、空を支配する優雅な翼のイカク、湖でキラキラと輝くヒタの群…。

そうした美しくも幻想的な生き物たちの世界が、ハタタ山では繰り広げられているのだった。


そんな人の子が住む世界とはかけ離れたこの山の麓に、スダマは暮らしていた。

スダマは代々続くサーラン・シラン《霧の神の子》と呼ばれる一族であり、山守として人里離れたこの地でひっそりと暮らしているのだった。

そのため滅多に人の子に会うことはなかったが、サーラン・シランが少ない今、ハタタ山を登ることのできる数少ない人間の一人でもあった。

さらに、全ての湖や川の水路を暗記し、山の洞窟の隅々までを知り尽くしているのは、スダマだけと言っても過言ではないだろう。

そんなスダマは、山の道案内や薬草を売って生計を立てていたが、山は豊かなため、あくまでも地元の村人のためであることが多かった。

そのため普段は、父が残した山の麓の小さい小屋で寝起きし、普段は山を駆け回るかネームン・シー《中央の洞窟》で過ごしていた。


そんな山の一部として過ごすスダマたちをサーラン・シラン《霧の神の子》として例えた人々は、きっとスダマたちを霧の神の使いとして、尊敬の念を込めて読み始めたのがきっかけであろう。

そしてサーラン・シランの娘、スダマは今日も山を駆け巡る。

読んで頂きありがとうございます。引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。

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