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原初の誓い
クロノはルキアより2年早く生まれた。
物心付く頃、クロノが初めて自ら示した意思は、
「ルキアをまもる」
だった。
幼少の頃から彼女の傍らに居つづけ、彼女を守りつづけた彼は、強さを求めた。
もとより才ある身だった彼は14歳を過ぎた頃には頭角を表し、16歳で異例の早さでの近衛騎士となった。
そして18歳になった時、国で彼に敵う者は自分の父だけとなった。
全てはルキアを守るためだった。
彼はその一念で強くなった。
今までも、これからも、彼は彼女を守りつづけるのだと、疑うことはなかった。