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マーブルな石を輝かす職人

帝国西部にある、貿易の拠点、ハクセイ

「余分なお金も無いから、取敢えず、商品でも見て回りますか」

 前回の騒動の影響で、足止めを食らって居るクーパが、そう呟きながら、様々な店を巡っていた。

 その中、一つの民芸品の店に入り、複雑な模様の石で出来たアクセサリーを見つける。

「これって確か、ハクセイ絡みだよね? デザインが良いのに、どうしてこんな安いの?」

 首を傾げるクーパをお客さんと判断し、店の奥からまだ若い店主が出てくる。

「どうですか? 今でしたらお買い得ですよ」

 それに対して、クーパが疑りを籠めて言う。

「安すぎるよ、真っ当なハクセイ絡みだったら、このサイズでも、一ルビーコイン(約一万)は、する筈。それが一トパーズコイン(約五千)なんて、投売り価格過ぎる」

 意外そうな顔をする店主。

「驚きです、ハクセイ絡みの普通の値段を知っているお客さんは、初めてです。逆に単なる石を組み合わせに一トパーズコインも払えるかというのが殆どですよ」

 クーパが店主を睨みながら言う。

「冗談じゃないよ、ハクセイ絡みは、二つと同じ物がない、石の模様で、ハクセイ絡み独特の美を生み出す、一流芸術品。まともな店に出すまでに何年もかかるって聞いてるよ。それが、こんな価格なんて、どんな裏があるの?」

「偽者とか思わないのですか?」

 店主の言葉にクーパが呆れた顔をする。

「あのね、どっかの絵画じゃないんだよ、実際のデザインがハクセイ絡みの美を再現していれば、それが、本物のハクセイ絡みだよ」

「あなた、よくわかってる!」

 そう言って、健康美を表現した様の少女が入ってくる。

「近頃じゃ、ハクセイでもそれが解らない人間が多いって言うのに、これがハクセイ絡みのデザインだって確信持って言えるなんて大したもんよ!」

 クーパは、気にした様子も無く言う。

「叔母さんが、好きで、詳細に説明されたからね」

 店主が寂しそうな笑顔で言う。

「他の町にも根強いファンが居てくれた事が、本当に嬉しいです」

 首を傾げるクーパ。

「もしかして、絶滅の危機に瀕しているの?」

 少女が頷く。

「ハクセイも貿易の要として発展し、多くの輝石が流通するようになって、普通の石で作ったハクセイ絡みより、高価な輝石で作ったアクセサリーの方が高値で取引されるのよ」

 クーパが、問題の商品を見て、大きな溜息を吐く。

「それでこの値段なんて、勿体無いな。そうだ、叔母さんの誕生日が近いから、最高のハクセイ絡みを用意してくれない?」

 その言葉に店主が笑顔で答える。

「ハクセイ絡みを理解してくれる人に、最高の贈り物になる物を」

 少女が胸を叩く。

「あたしが、お父さんに最高の物を作らせるから安心して」

「貴女、ここにハクセイ絡みを収めてる職人さんの娘さん?」

 少女が頷く。

「そう、ハールカって言うの」

「ハールカの父親は、最高のハクセイ絡みの職人です。きっと最高の物を作ってくれます」

 店主の太鼓判にクーパが頬を掻いて言う。

「直接、注文に行って良い? ちゃんと支払は、ここを通しますんで」

 申し訳なさそうなクーパに対して店主が首を横に振る。

「気にしないで下さい。ハールカちゃん、案内してあげてよ」

 ハールカが嬉しそうに頷く。

「了解、ルークお兄ちゃん」



 ハールカと工房に向かうクーパ。

「もしかして、ルークさんと付き合ってます?」

 思いっきりこけるハールカに、状況を察知するクーパ。

「そんなことは、無いわよ。それは、納品や、注文の時によく、工房に来ていたから、お兄ちゃんって呼んでるけど、そんな関係じゃないよ」

 苦笑するクーパ。

「了解」

 そのまま、他人が聞いたらどうやっても惚気にしか聞こえない、ルークとの話をするハールカとクーパが工房に着いた時、用心棒風な男達が工房を囲んでいた。

「あいつ等、また来たのね!」

 駆け出し、ハールカが、工房に入った時、そこには、卑しい顔をした中年の男が、下品な笑みを浮かべて言う。

「名人の腕があれば、こんな石っころじゃくて、輝石を使った見事な芸術品が出来ますよ」

 台に置かれていた石を触ろうとすると、ハールカの父親が怒鳴る。

「触るんじゃねえ!」

 一睨みで、すくみあがる中年男。

「仕事の邪魔だ、出て行け!」

 ハールカの父親の言葉に中年男が引け腰で言う。

「もうハクセイ絡みなんて時代遅れなんだ、お前の作品なんてもう誰も買わない。後で泣きついても知らないぞ」

 そのまま逃げていく中年男を見送ってからハールカが父親に駆け寄る。

「お父さん、大丈夫?」

 ハールカの父親が作業を続けながら、答える。

「あんな、ボケどもに俺をどうにか出来るかよ!」

 そんな中、クーパが入ってきて言う。

「あの叔母さんの誕生日プレゼントに、最高のハクセイ絡み贈りたいんですけど、お願いできますか?」

 ハールカの父親が、振り返り、クーパを観察後、胸のペンダントを見て、一言。

「それは、ミーナ=ホーの事か?」

 クーパが驚いた顔をする。

「どうして、それを知ってるんですか!」

 ハールカの父親は、作業に戻りながら言う。

「ミーナの奴は、この町で何か用事があると言って、暫く居た事がある。その時に良く来ていた。輝石剣士だって言うのに、洒落た奴だったよ」

「意外な繋がり」

 クーパの呟きにハールカも頷く。

「任せておけ、皇后陛下がつけても構わないような、ペンダントを作ってやる。前の時は、そのペンダントがあって、ペンダントを一つも作ってなかったからな」

 クーパが頬を掻く。

「一応、家宝みたいな物ですから、そうそう外せないんです」

 そして、注文を終えて、クーパが宿に帰る。



「皇太后様の誕生日プレゼントに普通の石を渡すなんて、親族じゃないと出来ない暴挙だな」

 宿で待っていたウドンの言葉に、肩を竦めるクーパ。

「こういう無知な男が、ハクセイ絡みの価値を落すんだね」

 少し不機嫌そうな顔をするウドンにクーパが、自分の荷物の中から、ハクセイ絡みのイヤリングを取り出し、耳に着けて見せる。

「下手な宝石のアクセサリーだと髪の色に合わせるのは、大変なの。だけど、ハクセイ絡みは、元が石で、輝かない地味な色を、髪の流れと併せる事で、自然なファッションになるの。それでも、下手な人間が作ると、野暮なだけだけど、名人が作ると、宝石で作ったアクセサリーと違った、味が生まれるんだよ」

「あたしも一個欲しいな」

 物欲しげな目をするオシロを他所に、クーパがイヤリングを仕舞いながら呟く。

「誕生日に間に合うように贈るとなると、割高になるかな?」

「直接渡せば良い」

 ウドンの答えに、眉を顰めるクーパ。

「どういうこと? 幾らなんでも誕生日が近いと言うのに、ミーナ叔母さんがこの近くに来るって言うの?」

 頷く、ウドン。

「定時連絡の時に聞いた。皇太后様が、この町に来るそうだ」

 クーパが納得できない顔をする。

「絶対におかしい、何か事情を聞いてる?」

 ウドンは、少し考えた後、告げる。

「元々は、陛下がこの町に来られる予定だった。しかし、北の情勢に危険な予兆がある為、陛下が帝都を離れられないので、代わりに来られる事になったらしい」

 するとクーパが手を叩く。

「そういえば、前にロが愚痴ってたっけ、公務があって、母親の誕生日をまともに祝えないって。去年なんかは、誕生日パーティーの場所を帝都から動かすんだと騒いだ挙句、バン兄さんとミーナ叔母さんに止められてた。結局、あちきが参加出来なくなるから嫌と言ったら渋々納得したけどね」

 苦い顔をするウドン。

「去年、騒がしかったのは、そういうことだったのか」

 自分の財布を見ながら、オシロが言う。

「ハクセイ絡みって高いの?」

 その時、クーパが何か思いついた顔をする。

「買うんだったら今だね。もう少ししたら凄く高くなるから」

 その顔を見てウドンが嫌な予感に襲われる。

「何か企んでるな?」

 クーパが笑みを浮かべて答える。

「ミーナ叔母さんのお誕生日を盛り上げるいいことだけだよ」

「それだったら頑張ってね」

 無邪気に応援するオシロと激しい不安を覚えるウドンであった。



 その日、ハクセイは、盛大な式典が開かれていた。

 現皇帝陛下の母親であり、先代の皇帝の妻、皇太后、ミーナ=ゼロレの御訪問なのだから。

 ミーナ皇太后は、その美しさから庶民に人気が高く、男は、誰でも一度は、恋し、女は、永遠に憧れるといわれ、そのファッションは、女性の手本とされている。

 歓迎式典は、ミーナの誕生日とも重なり、大量の贈答品が贈られた。

 そして、贈答品を送る人間の中には、ハールカの父親の所に来た中年の輝石商人も居た。

「皇太后様の美しさに負けない輝石を探し出すのに、苦労しました」

 そう言って、差し出したアクセサリーには、巨大な輝石が大量に使われていて、誰もが息をのむ代物だった。

 ミーナは、それを受け取り笑顔で返す。

「立派な輝石です。これを身につけていれば、いざという時の護身になります」

「ありがたき幸せ」

 輝石商人が頭を下げる。

 その時、会場の入り口にクーパが現れた。

 突然の乱入者に、周囲がざわめく中、クーパが宣言する。

「プレゼントを渡す為に来た。邪魔するのなら、力尽くでも」

 その言葉に、町の警備隊が動く。

「庶民が、身の程をしれ!」

 一斉に切りかかる。

『我が戦いの意思に答え、我が前に戦いの姿を示せ』

 クーパが短剣型だった蛇輝を、刀に戻し、柄にサファイアを当てる。

『サファイアよ、その力、水の力を我が剣に宿せ』

 水を纏わせた蛇輝は、相手の剣を巻き込み、次々にその水流で、弾き飛ばしていく。

 そのまま、突き進むクーパ。

水流撃スイリュウゲキで、相手を傷つけず、弾くのは、いいけど、まだまだ未熟ね」

 ミーナが手を伸ばすと、その後ろに控えていた髭面の男、ロ親衛隊副隊長、ダレナ=コイツが一本の刀を手渡す。

「未熟さを思い知らせてあげないとね」

 刀に、先程もらったばかりのペンダントを当てる。

『サファイアよ、その力、水の力を我が剣に宿せ』

 そのまま、一気に間合いを詰めるミーナ。

 クーパは、正面から斬りかかる。

「武器に差があるから、正面からぶつかればあちきが有利」

 その言葉の正しさを証明するように、力をぶつけ合いで、刀の方にひびが入り始めた。

 ミーナは、無言で力をこめる。

 次の瞬間、刀が折れた。

「皇太后様、危ない!」

 半分の人間が目を閉じ、何人かの人間が、ミーナを助ける為に、駆け出すが、間に合うタイミングでは、無かった。

「お前達が守らないといけないのでは、ないのか?」

 輝石商人が、ダレナに詰め寄るが、肩を竦めて言う。

「そんな必要は、無い。実力差が有りすぎて、少しも危険に感じない」

 長い沈黙があり、輝石商人は、絶望しながら振り返った時、そこには、折れた刃の代わりに、水で出来た刃をクーパの喉に押し当てたミーナが居た。

水刃スイバなんて高等技をあちきに使うなんて、大人気ないと思うよ」

 クーパが不満たっぷりな顔で睨むが、ミーナは、平然と刀を納めて言う。

「場所を考えないで騒動起こしたのですから、当然です。それよりも、武器の性能に頼る戦いだけは、するなと教えたつもりなのに、なんで性能差に頼った力技を使ったの。その所為で、刀が折れて、それにひきずられる形で、刃が泳ぐはめになった。注意して戦えば、もっとまともな戦いになりましたよ」

 クーパが頬を膨らませて言う。

「まともにやったら、一本も取れそうも無かったから」

 小さく溜息を吐くミーナ。

 その中、警備兵達がクーパを捕らえ様と詰め寄る。

「皇太后様に刃を向けてただで済むと思うな。死刑は、覚悟しろ」

 そう言って、乱暴に扱おうとするのを見て、ダレナが慌てる。

「待て、お前達! そのお方は、ミーナ皇太后様の姪で、皇帝陛下の従兄妹、クーパ=ホー様だ。傷一つでもつければ皇帝陛下の怒りに触れるぞ」

 驚愕する一同。

 そしてミーナが頭を下げる。

「私の姪が騒ぎを起こしてすいません」

 それに慌てる警備隊の人間。

「いえ、そんな、こちらが勝手に勘違いしただけです」

 ミーナは、クーパの眼鏡を取りながら言う。

「いえ、この子の言い方も悪かったの。それで、誕生日プレゼントは、何?」

 周囲の人間にミーナにそっくりで、驚かれていたクーパが、ハールカの父親が作ったペンダントを差し出す。

「これ、ミーナ叔母さんと知り合いだったって言う、ハクセイ絡みの職人が作ってくれたの」

 それを見て、ミーナが嬉しそうに言う。

「そうですか、彼が。彼は、何時も言っていましたね、いつか私に相応しいペンダントを作ってみせるって」

 そういいながらハクセイ絡みのペンダントを身に着ける。

 地味とも思える石の模様だったが、まるであつらえた様に体にフィットし、見事に胸元を演出する。

 周囲の人間が見惚れている中、ミーナがさっきまで持っていた、輝石商人から貰ったペンダントを見るクーパ。

「このダサい、ペンダント贈ったの誰? ここまで来たら、皇家を馬鹿にしてる風にしか見えないけど」

 輝石商人が慌てて言う。

「クーパ様、それは、酷すぎます。私が手に入れた最高級の輝石だけを使って作った二つと無いペンダントです」

 クーパが呆れきった顔をして言う。

「何の冗談か知らないけど、この程度の輝石だったら、帝都には、腐るほどあるよ。それをバランスも考えず、作ってる。重さもあって着けるているのも大変そう。輝石術か輝石剣の材料にしか使えなくされて、勿体無いね」

 その一言に、周囲の人間が先程のミーナが返した言葉の真意を悟る。

 それでも、諦めない輝石商人。

「あの様な石だけで作ったペンダントより軽く、見栄えがいい筈です!」

 ダレナが剣に手をかけて言う。

「それは、クーパ様のプレゼントが下らないというのか?」

 輝石商人が自分の失言に気付き、冷や汗を垂らすが、クーパが冷静に言う。

「見栄えに関しては、実際見て見れば、一目瞭然、誰もが、ミーナ叔母さんに相応しい物だと思ってる」

 周囲の人間が即座に頷くのを確認してからクーパが続ける。

「重さが、ハクセイ絡みの弱点なんだけど、ミーナ叔母さんどうなの?」

 ミーナが嬉しそうに言う。

「軽いわ、余分の部分を最大限に削り、組み合わせる。ハクセイ絡みの利点を最大限に生かして軽くしてある。私が知る中で最高のハクセイ絡みよ」

 輝石商人がその場に崩れ落ちた。



「どうしてあちきが、パーティーに出ないといけないのかなー」

 ドレスを着て、ハールカがそろえてくれた、ハクセイ絡みのアクセサリーをつけながらクーパがぼやく。

「式典を騒がした罰だろ」

 ウドンも、式典用の武装をつけながら答える。

「あたしも、ハクセイ絡みのアクセサリー欲しかったなー」

 オシロの呟きにクーパが肩を竦める。

「だから、今のうちって言ったんだよ。いまは、何処探しても売切れでしょ?」

 アクセサリーを届けに来たハールカが嬉しそうに言う。

「そうなのよ、注文も殺到してるわ。皇太后陛下とクーパちゃんのおかげ。ここにある奴は、全部プレゼントするわよ」

 オシロが嬉しそうに飛びつく。

 ウドンが溜息を吐く。

「とにかく、急ぐぞ。色々、挨拶周りもあるんだからな」

 そして、その夜のパーティーには、大いに盛り上がった。



「こっからが本命だよね?」

 パーティーが終わり、私服に戻ったクーパと、動きやすい服を着たミーナが、人気の無い夜の街道に立っていた。

「本来ならば、皇帝陛下の仕事なのだけどね」

 ミーナの言葉に答えるように、それが現れる。

『ひさしぶりだな、ミーナ。前に会った時は、隣の娘ほどの頃だったかな?』

 頭を下げるミーナ。

「おひさしぶりでございます。風の調和竜様」

 ミーナとクーパの前には、風を纏った白い竜が居た。

『事情は、知っている。それ故に聞く、皇帝は我等との約定を守る決意に相違は、無いな?』

 ミーナが強く頷き真剣な目で答える。

「我がホーク帝国は、常に他者との共存を望み、決して他者を踏みにじる事は、しません」

 暫くミーナの目を見て、意思を確認した後、風の調和竜が飛び立つ。

『その言葉、忘れるでないぞ! 我等は、世界の調和を守りし者。汝らが調和を崩そうとした時、我等が汝らを滅ぼさん』

 その姿を見送った後、クーパが言う。

「こんな儀式があったんだね」

 クーパの胸のペンダントに宿るキキが答える。

『あいつが交えた約定だ。竜が住んでいたこの土地に住む為に、作られた約定だ』

 ミーナが安堵の息を吐き答える。

「調和竜は、広大になり続ける帝国を危険視し始めているの。そして、この事実は、あまり知られる訳には、行かない。解るわね?」

 クーパが頷く。

「調和竜の存在を使おうとする者が出かねない。侵略の口実にもなる。だから、公式行事に関らず、秘密裏に行われていたわけだね」

 そして、ミーナがクーパを凝視して言う。

「一つだけ確認していい?」

 クーパが不自然に思いながらも頷くとミーナが質問する。

「ロに従兄妹以上の感情は、無いわね?」

 クーパがこける。

 起き上がりながらクーパが怒鳴る。

「従兄妹としては、ともかく、あちきは、マザコンを好きになりません!」

 ミーナが淡々と言う。

「ロは、本気よ。貴女が、誤解しているように私に似ているからでは、ないわ。それでも、貴女との関係は、認められない。調和竜にも目を付けられ、諸外国との関係も良好といえない今、内部に騒乱の種を増やす訳には、いかないのよ」

 クーパがなんとも言えない顔をして、暫く考えた後に答える。

「少なくともあちきは、ロに立派な皇帝になって欲しい。だから旅に出たんだよ」

 短い沈黙の後、ミーナが言う。

「最後に、女としての助言。自分の気持ちを誤魔化したらおしまい。もしロの事を愛してる気持ちに気付いたら、その気持ちを否定しないのよ。表立って付き合うことは、出来なくても、その気持ちを叶える事は、出来るはずだから」

 ロ親衛隊によって人払いが完全にされた街道に、静かな風が流れる。



「皇太后様は、帰られたみたいだが、裏には、何があったんだ?」

 ウドンの言葉にクーパが何時に無くダウンモードで言う。

「帝国の根幹に関る問題だけど知りたい?」

 ウドンは、暫く考えてから首を横に振る。

「俺達が知る必要が有る時には、陛下が教えて下さる筈だ」

 頷くクーパ。

「ねえ、クーパ、あたしの荷物も少し持ってくれない?」

 ハールカから貰ったハクセイ絡みを全部受け取ってしまったオシロが、重くなったバックに悪戦苦闘していた。

 それを見て苦笑するクーパ。

「ホーク帝国も、ロ親衛隊にオシロみたいな呑気な人間が居る間は、大丈夫だね」

「自慢できる事では、ないがな」

 眉間に血管を浮かべながら、妹の所に向かうウドンを見ながら、クーパが誰ともなく呟く。

「家族愛だよね?」

それにしてもクーパって負けが多いな。

やはり女トルネコの名前を襲名するべきかな?


次は、またまたギリナ登場のお話です。

今度は、どんな詐欺を考えているのか?

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