2話 新人と会議室②
ここらへん、説明が多くて少しつまらないかもしれませんが、ミリタリー好きの弓雲が浮き浮きしながら書いたので、辛抱して読んで下さるとうれしいです。
「まず、guilty silenceの掟を言っておこう。すべて僕の勝手な取り決めで悪いが守ってくれ。
一つ。『我々はいかなる状況でも日本国民を見捨てない。』
JSPはメディアなど情報が漏えいしかねないときのみ、即時撤退が推奨されている。
そこで我々はすべての被害者を救い出すため、必ずタイムリミットまでに状況を終了させる。
二つ。『我々は守るのみ。殺しはしない。』
JSPは殺人もできるが、それは心が少しずつ傷つく。
訓練で身に付けた、他部隊よりも高度な戦闘技術がこれを可能にする。
三つ。『我々は仲間を尊び、決して見捨てない。』
JSPはどちらかというと、思想が警察より軍隊に近くて他のチームではメンバーを捨て駒として使う所もあるらしい。
このチームでそんな愚行は認めない。
さらにこの組織(JSP)では、特にチーム行動という決まりは無く、ぼくらみたいなチームの方が少数だ。
あとこれらを実現するために、精密射撃ができるスナイパー以外は僕が友人に依頼して作ってもらっている特殊なゴム弾『ノックポイント弾』を使ってもらう。
この弾頭は従来では実現できなかった小型化に成功しているため、9×19mmParabellum弾や5.56×45mmNATO弾などのバリエーションもある。
さらに最適化された素材を使用して形状を維持しているため、命中精度は通常弾と同等だ。
まあ、この友人というのは機会があれば紹介しよう。
初期のウエポンは…。」
彼が後ろを向くと、そこにはいつの間に移動したのか小鳩が立っていて、その手にはマットブラックでポリマー製の小さめのケースが握られいる。
それを受け取って、中身が全員に見えるようにふたを開ける。
「Beretta Px4で~す!」
「「「「お~!!」」」」
みんなにつられて彩音も歓声を上げている(ちなみに小鳩は表情が動いていない)。そこで弓弦が言う。
「いいな~。俺なんて1911のノーマルガバだぞ。」
「え。あれは僕が作ったカスタムガンで、三点バースト射撃ができるメカが組み込んであるんだ。
お前の体型なら扱えると思って、託したんだ。
たしかに外見はノーマルだけどな。」
「は!知らねーし。
てか言わねーとわかんねーよ。捨てるとこだったよ。」
「捨てるはないだろ!
まあそれはさておき。彩音には初めこれを使ってもらう。
通常は官給品で、Beretta M92FsかWalther PPKSが渡されるが、ぼくの部下には入隊した際に、その人に合うと僕が考えた得物を入隊祝いとしてプレゼントしているんだ。
このPx4は9mm弾を使用するポリマーフレーム(強化樹脂製)なため軽量でコントロールもしやすい。
さらにコイツはバックストラップというパーツを変えることでグリップの太さが変えられるのです!」
「「「お~!」」」
皆が歓声を上げる中、小鳩が奏に低い声でささやく。
「奏。セールスになってますよ。早く終わらせてほしいんですけど。」
奏はまだPx4の説明をしたかったが、後ろからの威圧で体がぶるぶる震えてきた。
「え、え~と。官給品のMP5Jと他の装備品は家に届くから、このリストで確認しといてくれ。」
冷や汗を流しながら、彼は彩音にロック付の小さいスーツケースを彩音に渡しながら言うと、
「は、はい。」
彼女はおどおどしながらそれを受け取る。
(周りから白い視線も感じるし、僕なんか悪いことしたっけ?)
「まあ、おおざっぱな説明はこれで終わりだ。最後に…。」
そう言って、手を前に突き出し、握手を促す。
「さあ、この手を握ったら、常時戦闘の世界だ。覚悟はいいな。」
奏が真面目な調子で言うと、彩音も真剣な顔で手を握り返してくる。奏は少し表情を緩める。
(こんな世界でも仲間が増えるっていうのはうれしいものだな。)
「こんな奴らだが、腕は確かだ。安心して背中を任せられる。
そして、僕らは君を信じて背中を任せる。全員で歓迎させてもらう。」
突然、彩音以外のメンバーが立って姿勢を整える。
「斎藤彩音、
ようこそguilty silenceへ。」
新しい仲間の門出を四人は敬礼を持って迎える。
次回は、第一章について説明というか、種明かし?




