1話 四人だけのプロローグ
初めまして。
夜雲と名乗らせていただいている者です。
このように小説を投稿するのは初めてで、至らないところもあると思いますので、気づかれましたら、ズバズバと感想などに書いてください。
尚、運動部所属の学生をやらせていただいておりますので、申し訳ありませんが不定期投稿にさせていただきます。
電気を消した部屋。制服の夏服を着て、闇に紛れるような黒髪をもった高校生。
そんな彼は今、紐で両手を縛られて床に座らされている。
周りにも同じような人々が二十人ほどいて、その表情は一様に脅えている。
その前には覆面を付け、ロシア製のアサルトライフルAK74Uを持った六人の屈強そうな男が立っている。
さらに少し離れたところには、スーツを着てタブレット端末と軍用らしい大型のトランシーバーを持った痩せた男もいる。
どう見ても、武装テロリストだ。
そして、床に座らせられている彼らは、交渉を有利に進めるための人質なのだった。
しかし、ここで最初に挙げた彼をよく見てみると・・・
彼の顔にだけは恐怖が表れていない。完全な無表情だ。
しかし、眼光だけは鋭く、軽く周りを見つめている。
そして、今度は視線を少し下げて腕を動かし始めた。
詳しく言うと、後ろで縛られた手のうち、右手だけをまず一度右に大きく動かし、それから今度は上下に動かしている。
手の中に鈍く光るものがある。
Gerber製の超薄型のフォールディングナイフだ。
さきほどの大きい動作はベルトの裏側からナイフを取り出すための動作だったのだ。
そして、ナイフを上下に動かし、少しずつ紐を細くしていく。
なぜ世界でも有数の治安の良さを誇る日本の一国民であり、制服を着ていることから分かるとおり学生である彼がそんな物騒なことを平然とできるかだって?
その答えは彼の首に下げられシャツの内側、見えないところにあるゴムで縁取られたステンレス製の金属プレート、ドッグタグに印されていた。
JAPAN SECRET PUPIL
Area 08-01 team guilty silence
SO YURUGI
No.0008
次回は、彼らのお仕事です。
感想などありましたら、お願いします。