白銀の世界
はじめまして。くりえと申します。
この小説が初投稿となります。
学園ラブコメなんて最近ではテンプレみたいなものになってきてますが、そこをあえて行くのは単に"趣味"であるからにほかなりません。
自分の好きなことを、自分の好きなように表現する。ただそれだけのことなのです。
今回の作品を通して、自分自身の執筆能力がどの程度のものなのかを測るひとつの指標となるのではないかと思います。
そんなわけで、くりえがお送りいたします「七色生徒会」。完結までどれだけかかるかわかりませんが、それまで生暖かく見守っていただけると幸いです。
毎日毎日、自分は何をしているんだろう。なんてことを深刻に考えてしまうことがある。
それが正しいことなのか、はたまた間違っているのかすらわからない。
ただ、わかっているのは、そんなことを考えるのは面倒くさいってことだ。
胸の置くがモヤモヤとする。この感覚の正体はわからない。
まるで色が抜け落ちているかのような、そんな違和感の正体が。
「難しい顔してどうしたの?」
隣には、オレの顔を心配そうに見つめる彼女の顔があった。
「なんでもないよ。そんなに変な顔してたか?」
「うん、すっごく。雪がいっぱいで、イヤになっちゃった?」
「・・・・・大体合ってる」
「辺り一面が真っ白なのはいつものことじゃない」
今、オレの世界は白いらしい。いや、色が白いということは認識できる。それでもオレには全てが灰色に映っている気がした。
「さみぃ」
口に出してみて、初めて実感した。この常冬の島、|輝麗島
(きれいじま)では、当たり前のことだというのに。
「やめだやめ」
小さくかぶりを振って、前を見た。考えていても仕方がない。
なにより、何もかもが中途半端なオレには、悩むことすら許されているかすらわからないのだから。
小さい頃からやってきた槍さえも、中途半端なオレには。
「ね、先輩」
「ん?───ぅわぶっ!?」
声に反応したオレに向かって、彼女は突然橙色のごわごわしたもの───それがマフラーだとすぐには気付けなかった───をかけてきた。自分が使っていたそれを、二人で共有するようにしたのだ。
「これは・・・・・恥ずい」
「でも、暖かいよね?」
顔を赤らめながらもそう言う彼女は、とても可愛かった。
「先輩、また難しい顔してる。わたしには嘘、吐かないでよ?」
やれやれ・・・といったところだろうか。健気な彼女は、やはりオレのことを一番に考えてくれているらしい。
「なぁ、橙」
「どうしたの?先輩」
「大好きだぞ」
「ちょっ・・・いきなりなに?!」
手を繋いでやる。小さな頃から、こうしてないとコイツはよく転んだからだ。
ピクッ、と小さく反応はするものの、抵抗はなかった。
「二度はいわない。面倒くさいから」
「もう、お兄ちゃん!!」
「二人っきりのとき意外はそう呼ばないんじゃなかったのか?」
「うぅ~・・・お兄ちゃんはいじわるだぁ・・・わたしだってお兄ちゃんが大好きなんだよっ」
「うん、知ってる」
「うぅ~・・・!」
何もかもが中途半端で、何かが常に足りないと感じるオレでも、彼女だけは守っていきたいと、強くそう思った。
・・・・もちろん面倒くさいけどな。




