その5
その5
「△トの剣」を手に入れた!
ついにこの日が来た。しかし伏せ字にしなければ、後々大変な事になる。
誰もが知っているだろう名の剣、別名「王者の剣」(これは伏せなくても大丈夫かな?)。
この剣は間違いなく日本人が関わっている!確か剣を鍛えた鍛冶屋が日本人のはずだ! だからどうしたと言われると困るがなんとなく嬉しいじゃないか。
で、△トの剣だ。今回ははっきりしている。デザインも統一され、資料を見れば一目瞭然だ。
その分偽物も出回っているかもしれないが、これは本物だ。使えば分かる。…振りかざせば良いのか?待て、竜巻とか電撃が発生したよな?家の中じゃ危な過ぎる。体力回復とかなら使いやすいのに。
ナスカの鳥の地上絵をモチーフにしたような△トの紋章。闇を打ち砕き光を取り戻す為の剣。格好良いじゃないか。
しまった。手に入れる順番間違えたな。でも前回の闇は停電だし。満月だったし。まあ、闇を祓うのは時期が来てからだ。おおっ!ついに伝説の勇者と呼ばれる日が…そこまで欲張るのは止めとこう。第一戦うの嫌だし。
そうだな、伝説の勇者にその資格があるかどうかの試練を与える役でいいや。 そしてその試練を見事果たした時素晴らしい台詞とともに勇者に与えようではないか! …今から台詞を考えておこう。
でも、あの世界は△トの血をひく子孫たちが平和にしたはずだから当分取りに来そうもないか?だったらコレクションとして置いとくのは勿体無い。
取り敢えず鑑定番組に出して見るかな?どう鑑定するか楽しみだな。 待て待て。見た事無いような金属で出来てたはずだ。入手の経緯はともかくそのままどこかの研究機関に持っていかれそうだな。やっぱ止めとこう。
だけど、この剣は見せびらかしたいぞ。
…………この剣を持って違和感が無い人……やはり勇者しかいない。
だけどさっき諦めたばかりだ。……コスプレだ!! 勇者のコスプレすれば違和感無い!勿論普段コスプレして買い物とかに行く訳にはいかない。
勇者の格好をしていても驚かれない場所…その手のイベント会場だ!もしかしたら、戦士、僧侶、魔法使いも居てパーティーを組む事になるかもしれない。
ちょっと集合写真撮りたいな…。そしてイベント会場を縦一列になって練り歩く。お上りさんみたいだがいい感じだ。何だか楽しくなって来た。そうと決まれば早速勇者の衣装じゃなくて装備を揃えなくては! 3のパッケージのイラストを参考にしよう。
頭は兜?…サークレットかな?後は青を中心にまとめてマントだな。
髪型を逆立てて目つきを鋭く正面を見据える感じでいけば完璧だろう。
多分、売ってるだろうけど高いよな。
作るったって多分絶対完成しそうもないし。自作の人偉いなあ。 でも揃えたとして会場までどう持っていこう。
ともかく剣が大変だ。布にくるんで大事に運んでる途中職務質問されたら終わりだ。銃刀法違反になるな。要するに入れ物だな。ギターケースとかゴルフバッグとかあれぐらいの大きさだったらOKだろうけど家にそんなの無いしな。
もしくは、家からコスプレして出れば、あぁ、そういうのに行くんだなって事で大丈夫かな。
……途中でモンスターとか出ないよな。この剣本物だからそういうの引き寄せないだろうな…。で、やられて「死んでしまうとは何事だ!」という理不尽な言葉を王様に投げつけられるのか…。まあ復活してるんだったらいいか。 で、どうしたかと言うと結局出るのは止めた。△トの剣は部屋の隅に他の手に入れた物と一緒に並んでいる。
血をひく人が来た時用に台詞を考えたり考えなかったりしている。