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その4

その4


久しぶりに人に親切にした。やはり良い事をすると気持ちがいい。しかもお礼までもらってしまうとなんだか申し訳ない。

だがそのお礼と言うのがとんでもない代物だった。「悪魔召喚プログラム」を手に入れた!

車椅子に乗った紳士が道案内ついでに車椅子を押してあげただけの事だったが大変喜んでくれ、お礼にと手渡されたのだ。

まあよくある記録用のDVDだ。

自分でもそんな眉唾物の話に素直に受け取ってしまったが、興味が先走ってしまった。 車椅子の紳士は何時の間にか目の前から消え失せていた。その時あまりの事に「目が点」になっていた(笑)

家に帰ると早速DVDを取り込もうとノートパソコンの電源を押そうとした時まさに押し留まった。

悪魔召喚プログラムは実際試してみたい。だがこれにウイルスが入っていないとも限らないし、どっちかと言うと怪しさ120%である。 上手くいけば例のネコを起動出来る。そうすればウイルスなんて瞬殺だろう。 魔法の力で動き出し、科学の力で魔法の力で発生したウイルスを撲滅する。だがそれは、科学技術によりプログラミングされた魔法。なんだかややこしい。どっちが凄いんだか。 また余計な事を考えてしまった。考えるより先に動き出す人をたまには見習わないと。

ええい!案ずるより産むが易し!成るようなれぃ! パソコンを起動しDVDを入れると読み込みが始まり画面に魔法陣がぼんやり浮かびあがる。

これは来る感じだ。ゲーム何かじゃ無い…!

だとすれば、悪魔召喚を……待てよ。これは悪魔召喚とか言うけど確か天使とか妖精とかも召喚出来たんじゃ…。

そう、焦る事は無い。じっくり考えて召喚すれば良い。

だったら、資料、資料と。「スーパーファンタジーファンタジー攻略・モンスター編」「天使&悪魔大全集」「悪魔の琴線、天使の逆鱗」等々。

今回は剣の時より資料っぽい物が多い。大抵同じ事が書いてある。性格的な事や考え方を覚えて無いととんでもない条件で契約させられる羽目になるからじっくり読み込まないと。

…でも、と言うか、さて、誰を呼び出そう。 天使。この人たちは面倒くさい。何故なら、契約って言うよりこっちが困って呼び出した感じがあるし、悪い事は頼め無い。

下手すると改宗させられて祈りを捧げてるかもしれない。

○○エル、○×エルとか言うのが多いからでかくて圧倒されるに違いない。

○○エムとか○×エスとかなら可愛げがありそうなもんだけど。

神様系ならなおさらだ。何かあった時、結構無慈悲な天罰と言う名の怒りをぶつけてくるはずだ。

…妖精……。無邪気で何でも聞いてくれそうだがこいつらの方がヤバい。

天使は理論的に話をすれば納得してくれるだろうが、妖精は瞬間瞬間の気分次第。調子に乗らせて取り返しのつかない事になりそうだし、慎重にしようとして気分を害してそっぽを向くかもしれない。それぐらいなら良いが最悪命を落とす…。あいつらメルヘン何かと比べてたら非道い事になるのだ。

…結局、悪魔か。まあ、お互い有利な条件で契約を結びたいから本心はともかく駆け引きは出来る。出し抜く事さえ可能なはずだ。 だったら誰が良い?サタンとかベルゼブブとかの七つの大罪の筆頭か?

でも、そのレベルは召喚した途端殺されてしまうかもしれない。そもそもそんなラスボス級の奴ら簡単に召喚出来るのか? まただ。ここで迷ってはいけないのに外を見る。空に満月が、満月が…めちゃくちゃヤバいじゃないか! 確か月の魔力がどーやらこーやらで普段おとなしい奴でも暴走してしまうとかどうとか。でも、その分魔力が上がる為普通出来ない事が出来てしまうとか。両刃の剣なのだ。

…やっちまおう。もし何かあっても多分悪魔に効く剣もある。

ルシファーだ。ルシファーにしよう!世界が闇に包まれるか、見事契約を果たし コンゴトモヨロシク と言わせるか大勝負だ! 綴りはどうだっけ?あぁ検索あるんだ。えーと「ルシファー」と。

そう言えば何か金が要るような…まあ何とかなるだろう。

よし!OKだ!!出でよ!ルシファー!!!

!!だがEnterキーを押した瞬間なのかどうなのか?全てが闇に包まれた。 契約もしないうちに世界が闇に染まってしまうとは…。やはり、これは天罰なのか……。あぁ……。

呆然とする中、光が差し込んでいるのに気付いた。 外を見れば闇のせいか満月が一際輝いて見える。

綺麗な月だ…。素直にそう思った。これから先世界はどうなるのか。他人事のように思った時だった。

ちらほらと光が復活し、直ぐに世界はよくある夜の町の風景に戻った。

何だ停電か。それにしても絶妙過ぎるタイミングだ。……でも何故電源をつないでいないノートパソコンまで?強力な電磁波とかも発生したのか?

その辺りは謎だったが、停電は結構大規模だったとニュースで知った。

ただ、ノートパソコンがあれから動かない。

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