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デスゲームに巻き込まれたのでさっさと死ぬことにした  作者: 今日この頃


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6.人を助けて恩を売るのはテンプレだよな



視界が白から黒に代わる。

目を開けるとそこはさっき紅月が喰われたであろう場所だった。

周辺は木々が倒され、地面がえぐれた状態となっていた。

血痕等がないところを見ると紅月の身体は死んだあと消滅する仕様なのだろう。

この惨状からせっかく仕留めた獲物が消えてしまったオオカミの怒りが伝わってくる。


「うわー、ひでぇなこりゃ。うーん、見た感じあのオオカミはもうこの場所にいないみたいだな」


またオオカミに出会ったとしてもすぐには気づかれないようにひとまず、紅月は近くの大きな木の上に登って最低限の安全を確保する。

そして、今の自分を状態を確認してみることにした。


「”ステータスオープン”」


生身の時と違い何も起きなかった。


「ん?もしかして仕様が違うのか?」


目をつぶり少し考える。


「あー、でも何となく何ができるのかわかるな。機動士はバリアヒーラーか。バフとデバフも使えるみたいだな。攻撃魔法はあまりないか。まあ、ヒーラーだしこんなもんか」


目をつぶったまま、今の自分に何ができるのか確認をする。

魔法の発動は呼吸をするように当たり前にできるような気がした。


そして紅月はいつ攻撃されてもいいように自分の周りにバリアを展開させる。

その時、どこからか光具が現れ紅月の身体全体を囲うように周りバリアが張られた。

光具は棒状のものが6本ほどありすべて紅月の周りをふわふわと浮いている。

バリアを張り終えた光具は少しすると消えてしまった。


「おお、これが機動士の武器か。ロボットアニメとかでよく見るレーザーとか出すやつみたいだな。武器自体は俺の意思で出し入れ自由なのか。便利だな」


ここで紅月はあることに気が付いた。

スルーしていたがキャラでこの世界に来てから見えていた自分のHPバーが少しずつ減っているということに。


「あ?なんかいつの間にか状態異常になってやがるな。道理でなんか息苦しいわけだ。状態異常状態だとバリアしていてもHPが減るのか。とりあえず、解除するか」


紅月は状態異常を解除した。


「ふう、息苦しさが消えたな。でも、この森にいる限り定期的に解除しないとすぐに状態異常にかかりそうだな。やっぱこの霧みたいなのが瘴気だったか。さっさとこのくそみたいな森を抜けてどっかの国に行かないとな。……てか、国ってどこにあるんだ?確か三カ国は残ってるって話だけど。とりあえずその三国のどっかにたどり着かねぇと始まらねぇよな」


右も左もわからない瘴気の森の中、紅月は途方に暮れた。

なんか面倒くさくなってきて、”憩いの場”に戻ろうかと考えていたところに轟音が鳴り響いた。


「……ちっ。犯人は現場に戻るっていうけどオオカミも戻ってくんのかよ」


音がした方向を見るとそこには紅月を殺したオオカミがいた。

オオカミの頭上にはさっきは見えなかったHPが見え、それは紅月の緑のものとは違って赤く表示されている。

そして同時にHPの上には”ソウルイーターウルフ”と表示されていた。

よく見るとオオカミは口に何か咥えており、それは人間のようだった。

咥えられた人はぐったりとしていて意識がないようだ。


「助けて恩を売るか、それとも静観するか。てか、こんなとこで人に会うなんて奇跡に近いよな。あいつを助けて色々聞いてみるか。……でもなぁ、俺あいつに勝てんのか?一回殺されてるしできれば近寄りたくねぇんだけど……。うーん、この積み状態から脱却するにはやっぱり助けるしかないよな……」


紅月はオオカミに気づかれていない今のうちに奇襲を仕掛けることにした。


まずオオカミに自分が付与できるすべてのデバフを付与すると同時にオオカミに咥えられている人物にバリアを張る。

そして、デバフの一つ”睡眠”の効果により眠ったオオカミに一気に攻撃を仕掛けた。

6本の光具から放たれるレーザーがオオカミを襲う。

攻撃の手を緩めることなく数十秒。

そろそろ自分が張ったバリアが解除されるといったところで攻撃をやめる。

舞い上がった土埃が落ち着き視界がクリアになってくるとそこにはオオカミが血だらけで倒れていた。

オオカミの頭上を確認するとそこにあったHPバーは消えていた。


「HPが消えてるってことは倒したってことでいいんだよな……。ふぅ、思ったより戦えそうで安心した。これなら、なんとかなるか」


紅月は木から飛び降りるとオオカミの死体に近づいた。

オオカミの死体を確認すると画面(ウインドウ)が開いた。


『解体しますか?はい/いいえ』


「あ、これ解体してくれるのか。便利だな」


紅月は迷うことなく”はい”を選択する。

すると、解体されたオオカミの素材が表示されアイテムボックスに贈られた。


「おお、すげぇ楽。さて、次はこっちか」


解体されたオオカミはその場から消え、そこにはオオカミに咥えられていた人だけが残った。

紅月はその人物の様子を確認する。


「女の子だったのか。HPが結構減ってるな。とりあえず、HP最大まで回復させておくか」



ピコン



『ソウルイーターウルフ【銀狼】を討伐しました』

『貢献度2000を獲得しました』

『この世界における重要人物を助けました』

『貢献度3000を獲得しました』



少女の回復が終わったその時、それは聞こえた。


「ん?なんか貢献度貰えたな。……この子がこの世界の重要人物?こんな小さい子が?まあ、こんな危険な場所に一人でいる子供が普通の子供なわけないか。何はともあれこの子を助けたのは正解だったってわけだな」


紅月はとりあえず少女を木陰に移動させて寝かせる。

上着をかけてやり、ついでにバリアを張りなおしておいた。


「さて、いつ目が覚めるかね」


ここにきて疲れがどっと来た紅月は木に寄りかかり目を閉じた。




ありがとうございました。

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