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デスゲームに巻き込まれたのでさっさと死ぬことにした  作者: 今日この頃


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18/18

18.やっと次のステップに進める



善は急げとばかりに翌日の早朝には王権がフィアナに継承されたことが全国民に告知され、そこから目に見えて国が変化していった。


王侯貴族にしか利のなかった法が改正したことにより、今まで贅の限りを尽くしていた貴族たちが貴族籍を剥奪され、腐った者たちを一斉に排除したことにより無駄に搾り取られていた税が適正値に引き下げられた。

それにより、貴族たちが無駄に消費していた食料等が平民にも行き届くようになり、民の暮らしにゆとりが生まれた。


結界の効果が薄れ瘴気により汚染が進んでいた最下層を一時放棄し、最下層の住民は下層に移された。

最下層に割いていた結界の力を下層に集中させることで下層以降は瘴気を一切通さないようになり、瘴気によって体調を崩すものが格段に減った。

下層に移す際、最下層民はタダヒトによって治療を受け、リッター率いる騎士団が準備した炊き出しによって腹を満たした。

下層は最下層ほどではないにしろ衛生状態があまりよくなかったためその点を重点的に改善するよう努めた結果、今では感染症が流行ることもなく皆元気に動くことができるようになっていた。


また、召喚された勇者の中には農業に関するに知識を持つものが複数おり、その者たちを中心に農業改革が行われ収穫量が一気に増加したことにより食糧問題も解決に向かっている。


全てが順調に進んでいったが、大元の原因が排除されない限りこの世界に未来はない。



__________



タダヒトは元々興味のあった農業を手伝いながら空いた時間で王宮の図書館からしれっと持ってきた本を読みつつのんびりと過ごしていた。

そんな日々がどれくらい続いただろうか。

ある日、突然フィアナに呼ばれ執務室に来ていた。


「タダヒトさん、突然の呼び出しに応じてくださりありがとうございます!」


久しぶりにタダヒトに会えたからかその表情は喜びに満ちていたが、フィアナの顔色は悪く目の下には黒々とした隈があり明らかに睡眠が足りていない様子だった。

執務室の机の上にはたくさんの書類が積みあがっておりその忙しさを物語っていた。


「それは構わないんだけど、お前最近ちゃんと寝てるのか?ひどい顔だぞ」


「ふふっ、そんなにひどい顔していますか?大丈夫ですよ。国がだいぶ良くなってきたとはいえ、まだまだやるべきことは山積みです。そんなときに国のトップである私が休むわけにはいきませんから」


「そうか?むしろ、トップこそ率先して休むべきだと思うけどな。それにお前はまだまだ育ち盛りなんだからしっかり飯食って寝ないと大きくなれないぞ」


「ふふっ。確かにそうかもしれませんね。でも、私はやるべきことが終わるまで休む気はありません。安心してください、部下たちには十分な休息を与えていますから」


「……まあ、お前がそれでいいならこれ以上言うことはねぇよ。んで、俺に何をしてほしいんだ?」


フィアナは必要以上に干渉してこないタダヒトの心遣いに感謝を述べると真面目な表情になる。


「私たちが初めて会った時のことを覚えていますか?」


「?ああ、もちろん。瘴気の森で遠征中だったんだよな」


「はい、そうです。では、何故私たちが瘴気の森に遠征して魔獣を排除していたんだと思いますか?」


「魔獣の量を減らして魔獣による被害を減らすためじゃないのか?」


「はい、大体の目的はそうです。ですが、魔獣はいくら排除しようとも増え続けます。それは、瘴気の森の中心部にある魔瘴核が原因です」


「魔瘴核?」


「はい。魔獣と瘴気は魔瘴核から生まれます。魔瘴核がある限り魔獣と瘴気が消えることはありません。近年では魔瘴核から発生する魔獣の量が増え、排除が間に合わなくなっています。排除が間に合わなくなると大量の魔獣が一気にこの国に攻め込んでくることになるでしょう」


「なるほど。今回俺が呼ばれたのはその魔瘴核をどうにかするために協力してほしいってことか」


「さすがタダヒトさん!話がはやくて助かります」


「んで、今までその魔瘴核を排除できなかったのには理由がある。魔瘴核の場所がわからない、もしくはわかってはいてもそれを排除する方法がない。または、方法はあるがその方法を試すことができない理由がある。そう、例えばその魔瘴核を守る強力な魔獣がいるとか?」


「……すごいですね。その通りです。私たちは魔瘴核がどこにあるかは大体予想がついています。魔瘴核を排除する方法もあります。ですが、そこまでたどりつけないのです……。魔瘴核を排除しない限り私たちの国に平和はありません。どうか私たちと共に戦ってください!お願いします!」


フィアナの懇願にいいぜと二つ返事で了承する。


「まあでもその前にいくつか質問がある」


「っありがとうございます!なんでもお聞きください!」


「まず、魔瘴核を守る魔獣についてだな」


「はい、魔瘴核を守っているのは魔狼の一族です。魔狼の一族はとても強く私たちでは太刀打ちができません……。実際、私たちが出会ったときは1匹の魔狼によって壊滅寸前まで追い込まれていました。それは、タダヒトさんも見た通りです……」


「ああ、確かにズタボロだったな」


「はい、あの時は【銀狼】と呼ばれるネームドの魔狼によってやられていました」


「ネームド?そういえば前にリッターが言っていたな」


「はい、特に強く危険性の高い魔獣には名前がついています。その魔獣たちを私たちは”ネームド”と呼んでいます。現在この国で確認されているネームドは3体。1体目は先ほどから名前が出ている【銀狼】。2体目は【銀狼】と対をなす【金狼】。そして、最後にこの2体の上にたつ【王牙】。この3体により魔瘴核は守られています。この中の1体でも全滅しかけていた私たちには魔瘴核を排除するなんて夢のまた夢……そう思っていました。あなたが現れるまでは」


そういって真っすぐとタダヒトを見つめる。


「【銀狼】と【金狼】は決まったテリトリーを持ちその範囲内から出ることは基本ありません。ですが、ある時から【銀狼】をテリトリー内で見かけることがなくなりました。……そう、あなたが私たちの前に現れた時から。【銀狼】を倒したのはあなたですね?」


疑問形でタダヒトに問いかけるがそれは疑問ではなく断定だった。


「……」


「あなたがなぜそれを隠すのかはわかりません。ですが、そんなことはどうでもよいのです。私はタダヒトさんを信頼しています。そして、あなたがいれば魔狼の一族を排除できると確信しております」


「まあ、そうだな。黙っていたのには特に意味はないが、乗り掛かった舟だし手は最後まで貸す予定だから安心しろ」


「はい、そこは何も疑っておりません」


「あと、魔瘴核についてだが魔瘴核って一つだけじゃないよな」


フィアナはタダヒトのその言葉に驚いたように目を見開く。


「……っ。はい、おそらくはあと二つあるといわれています」


「いわれている?」


「私も詳しくはないのですがこの世界には我が王国以外に帝国と聖国の2か国が残っていてそれぞれの領域内に魔瘴核があると聞いています。昔はそれぞれの国と交流があったらしいのですが今では互いに干渉することもできなくなっています。魔瘴核にはそれぞれ性質があってそこから生まれる魔獣はそれぞれの特徴があるといわれています。現在、我が国周辺では変わった特徴の魔獣を見かけないことからおそらく他二か国もまだ存命しており、抗っているのではないかと推測されています。もしも、他の二か国が滅んでいたとしたらこの国もとっくに滅んでいたことでしょう」


「てことは、魔狼の守る魔瘴核を排除した後、残り二つもどうにかしないといけないってことだな」


「はい、そうなりますね。ですが、まずは我が国のことを解決せねばなりません。これより、魔瘴核排除作戦の会議を行う予定です。ご参加願えますか?」




ありがとうございました。

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