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姫ちゃんの悩み事

進路指導室につき

部屋の真ん中にある机を挟み椅子にすわる

「冴木先生、入口のドア閉めないんですか?」

「あぁ、一応コンプライアンス的な?セクハラとかパワハラとかアカハラ?の防止みたいなね…もちろん閉めたって私は何もしないけど…万が一変な噂がたったらお互いに嫌でしょ?

もう一人第三者がいれば閉めてもOKなんだけどね」

「ふーん…そうなんだ…」

「で?質問?相談?って何かな?」

「うん…えっと…えぇっと…」

「言いにくいこと??」

なんかモジモジしてて可愛い


姫ちゃんは

少しモジモジしたあと

言葉を選ぶようにポツリポツリと話はじめた


「あの…僕…学校ではいつもまわりにたくさん人がいて

なかなか一人になれなくて…時々で良いから自分の好きな時に好きなところに行って好きに過ごしたいなぁって思ってて…購買とか…自販機とかにもたまには一人で行きたい時もあって

それに…トイレもいつも誰かついてくるから…流石に個室までは入ってこないけど…」


な、なるほど…それは大変…


「そ、そっかー人気者も大変ね…今まで先生とか先輩とか友達とかに相談した?」


「あーうん…あの……相談しようとしたこともあるんだけど…なんか…違う方向へ話が行っちゃうっていうか…個人的に相談とかって言うと流れが…変になるって言うか…」

そう言って姫ちゃんは顔を赤く染めうつむく

伏せられた目元、長く多いまつ毛の奥の瞳が少し潤んでいる



あー

察し…


「安心しろ、俺が守ってやる!的な?

俺と付き合えば良いんじゃないか!的な?

壁ドーン、床ドーン、ソファにドーン的な?」

「…はい…」


き、危険だ…危険すぎる…

可愛いすぎるって…大変

この子…可愛いだけじゃなくて

なんか人を惹きつけるんだよね

ほっとけないっていうか…魅了されるっていうか

なんかのフェロモンでも出てるのかな?


「なるほどねぇ…うーん…そっかぁ…

確かに姫野くんは誰かと二人きりになるのは危険だね…」


二人きりもアレだけど

一人でいるのも危険…かも…

みんな一緒っていうのはある意味正解かも…?

でも…ひとりの時間も欲しいよね…

うーん

ん?あれ?でも…

そう言えば…天王くんとか殿崎くんとか…

頼れそうな先輩もいるよなぁ…聞いてみるか…


「ねぇ、姫野くん3年生の天王くんとか殿崎くんとかには相談してないの?」


「え!

あ、はい…天王先輩も、殿崎先輩も優しいし…兄みたいな感じで頼りがい?もあると思うんですけど…相談すると面倒くさいことになりそうで…ちょっと」

「面倒くさいこと?」

「はい どちらかを頼ると波風が立つし…

かと言って両方を頼るとうざ…じゃなくて…過保護合戦になって…今より不自由って言うか…モンペ?じゃなくてモンブラ?みたいな感じになりそうで…」


モンブラ?

あぁ

つまりあの2人が絡むと面倒くさいウザウザお兄さんがSPバリに張り付いてきてしまうと…


ん?ちょっとまて?

今の感じだと先輩2人への姫ちゃんの感情にはLOVE的な好意は無いってことか?

え〜

残念すぎる〜ワクワクしてたのにぃ〜

…でも先輩たちの方は姫ちゃんへの何かしらの感情はあるよね…きっと…(期待しとこう)


「そ、そう…モンスターブラザーズ的なのね…」


「だから、冴木先生は女の人だし…僕と同じくらいの息子さんがいるお母さんだって聞いたから……先生なら相談しても大丈夫かなって…」


えぇ

そうですよ

何もしませんよ

壁ドーンも

床ドーンも

ソファにドーンもしませんよ

モンスターにもなりませんよ


そう…

妄想以外は何もしませんよ…(ごめんなさい)

腐ってるけど実害はありませんよ(ごめんなさい)

腐り散らかしてるけど完全脳内完結なので(ごめんなさい)


「…つまり友達や先輩たちと離れて過ごす時間が時々は欲しいということかな?」


うんうんと姫ちゃんが頷く



「じゃあ…ちょっと時間をもらえるかな?

どうするのがベストか考えてみるから!ね?

あと…先生一人では解決出来ないと思うから、理事長先生と学年主任に相談しようと思うんだけど…良いかな?」


「はい!」


姫ちゃんが瞳をキラキラとキラつかせて

貴腐人を見つめてくる


ま、眩しい!

ゔっ!ゔっぅぅ!

心の臓がっ!ギュンって!!

萌えがキツイ

キュンの域を軽く超えている…


表情は平静を保てているだろうか?

だらしない顔になってないだろうか?

鼻の下は伸びてないだろうか?


貴腐人わたしは外を見るフリをして

硝子にうっすらと映った自分を見て表情を確認する…

大丈夫だ…

顔は崩れていない


ふぅ…

少し息を吐いて姫ちゃんに微笑みかける

「じゃあ…今日はこの辺で…気を付けて帰るのよ」

「はい」

姫ちゃんはニコリとして

指導室を後にした



でも…実際姫ちゃんを一人きりにするのは

難しいだろうな…

友達と少しの間離れて過ごす…か…


うーん

さて…どうしようかなぁ


頭の中でいろいろと考えを巡らせながら

貴腐人わたしは職員室へと向かった



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