表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

とある春の日の午後の授業中の話

2年1組

姫野ひめの正雪まさゆき 通称『姫』

誕生日は1月1日

名前から察するに生まれた日には雪が降っていたのだろう

…が、皆さんはご存知だろうか?

この世界には

『正雪』という名を持つ白い可憐な薔薇が存在することを…

白き薔薇…姫ちゃんにピッタリではないか

そっちからのネーミングだと良いなぁ(違うか…)


姫ちゃんの家族構成は両親と姉(大学生)と猫の佐吉サキチ

好きな食べ物はチョコレートとちょっと酸っぱめのグミ(本人談)


教室では窓際の前から3番目の席

相変わらず常にいろんな友達げぼくにチヤホヤされている

そしてその度に可憐な笑顔を返し魅了している


ハンドボール部では

普段はぼーっとしてることが多いけれど

いざ試合となるとスイッチが切り替わり

可憐な見た目とは裏腹に鬼神のような攻撃力で

チームを勝利に導く…らしい(まだ見たこと無いので信じられない)


ちなみに貴腐人、ハンドボール部の副顧問にはなったけれど

何も知らないド素人なので目下もっかルールやポジションなどの勉強中なのです

聞くところによると

左利きの姫ちゃんはライトバックというポジションで

シュートとかしちゃうらしいです


さて

学校にも生徒たちにも慣れてきた貴腐人

姫ちゃんやそれを取り巻く面々のことも徐々に分かってきた今日この頃…


現在2年1組は英語の授業中で小テストをしているのですが

姫ちゃんはぼんやりと窓の外を眺めています


コツコツと机間巡回しながらさりげなく

姫ちゃんに近寄りその視線の先を探ると


3年3組が体育をしている


うーん…

姫ちゃんは誰を見ているのかな?



3年3組は

姫ちゃんの幼馴染みでテニス部のキャプテン

天王あまの隼人はやとのいるクラスだ

彼は俗に言う継承顔の爽やかイケメンで

物腰も柔らかく頭脳明晰…品と知性のある身姿で

テニスコートの貴公子と言われている

絶対的攻め王子(貴腐人目線)と思われる

対姫ちゃんの場合は王道の幼馴染み年上攻めが

美味しくいただけそうです


それともう一人

ハンドボール部のセンターバック(司令塔)で

いつも何かと姫ちゃんを気にかけている

殿崎とのさき雅人まさともこのクラスだ

彼は護国顔の男前で姫ちゃんと並んでいる姿は

さながら騎士ナイトのよう

彼も文武両道でスパダリ然とした体貌を持ち合わせる

校内でも大人気(注:男子高)な総攻め様

と見せかけての

姫ちゃん専用尽くし攻め(貴腐人希望)だったら良いな…

がいるクラスなのである


あと、もう一人姫ちゃんの視線の先候補で

忘れてはいけないのが

体育教師の成瀬なるせ高雄たかお

彼は体育教師らしい恵まれた体躯の美丈夫で

ハンドボール部の顧問でもあり

貴腐人から見たらまだまだ若いヒヨッコだけれど

高校生から見たら落ち着いた風貌でどことなく大物感

がある

そんな彼に生徒たちは憧れて恋をしてしまうこともあるのではないか??

うむ。

姫ちゃんといる時は皇帝とその寵姫みたいな感じで

寵愛感がデロデロに漏れてたりしたら良いなぁ〜

良いよなぁ〜

腐、腐、腐ッ


ハッ

意識が飛んでいた…(顔が緩んでなかっただろうか?)


気を取り直して

ふと姫ちゃんの回答用紙を覗くと

一応回答欄は全部埋まっている…


貴腐人の視線に気が付いた姫ちゃんと目が合う

『もう 書けたのね?』と言う意味合いで

ニコッと笑うと

姫ちゃんがコクンと頷いてニコッと笑い返した


うはぁー

今日も麗しいし

可愛いし可愛いし可愛い

ヤバいしヤバいしヤバい

どうしよう…悶えちゃう


すぅ〜はぁ〜


平静を装い

息を整えて視線を姫ちゃんから外し

窓の外を見る


やっぱり…

あの3人、ここからよく見えるな

誰を見てたのかなぁ〜

あの3人以外ってこともあるか?

あるかもなぁ〜

いや?無いかぁ〜?


あー妄想捗るぅぅ

トライアングルラブ?

いや

スクエアラブ?

いや

もっと多角な図形を描くかも?


んー


やっぱり天王くんと殿崎くんと姫ちゃんの

トライアングルLOVEが良いかなぁ

王道すぎるかなぁ

んーんーんー


ハッ!


授業中だった!

んっんっ


「ハーイ!皆さんそろそろできたかなぁ?

回答用紙、集めて下さ〜い」


そう言うと同時に授業終わりのチャイムが鳴った


「じゃあ、今日はここまでね!ちゃんと復習と予習やっといてね!」


そう言って教室を出ようとした時

「冴木先生〜」

振り返ると姫ちゃんが満面の笑みで立っていた

「ひ、姫野くん、何?どうしたのかな?」

「質問?相談?があるんですけど…」

「そう、何かわからないことがあって困ってるのかな?」

「そうじゃなくて…えっと…ちょっとここでは…」

「!?そう?じゃあ…進路指導室でも借りようか?」

「…はい」


貴腐人は少し照れてモジモジしている姫ちゃんと連れ立って

進路指導室へと向かった





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ