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序章

世界は、一つの大樹を軸に広がっている。



まだ生物が存在しない、そんな時代に



ぽとり、と



ひとつの実が世界樹から落ちた。








愛しい子



どうかこの世界の全てを



私の代わりに見ていておくれ。



これから生まれる存在達を。



これから起こる出来事を。



始まりから、終わりまでを。



ネリコ、愛しい子。



見守っておくれ。







落ちた実は、時間が経てばやがて熟し、ひとりの妖精を現した。



「はい、世界樹さま」



ネリコと呼ばれた妖精は大樹を見上げ、うっそりと微笑んだ。

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