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幕間010 矢早銀のお料理教室

 さてと、魚とカレー粉か。

 シーフードカレーってわけにもいかないしな。そもそも米がない。


「先生、私が料理しますね」

「なんだ、矢早銀は料理ができる子だったのか」

「できるかどうかはわかりませんが、知識とやる気は持ち合わせてるので」


 料理でのその手のポジティブさは悪い予感しかしないんだが。


「先生、僕は料理に必要なのは経験と技術だと思うんですよ」

「大丈夫だ三嶋。俺達にはカレー粉がある」

「失礼な会話ね」


 冷たい声を零す矢早銀の手には、いつの間にか鋭い包丁が握られていた。

 そっと三嶋を前に押しやっておく。


「それで何を作るんだ?」

「ムニエルにしようかと。とりあえず魚をさばいていきますね」


 言いながら、手に持った包丁を頭上に掲げ。

 ――ん?


「矢早銀さん矢早銀さん。どうして包丁を振り上げ――っひ!?」

「やけに思い切りのよい音が聞こえるな」


 そんなこんなで無事に魚はぶつ切りになった。


「ムニエルってことは小麦粉か」

「小麦粉は……、カレー粉で代用すればいいわね」

「バターはどうするんですか?」

「バターは……、どうせカレー味になるんだから他の調味料はいらないわね」


 矢早銀の料理はなんだか男前だな。

 料理の知識とやる気のおかげかカレー粉のおかげかはともかく、川魚のムニエルはおいしく頂くことができたとここに記しておこう。

 

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