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幕間009 矢早銀桜

 2-Dのほとんどの生徒が失踪した中、学園に残った二人の生徒。

 クラスメイトのみんなが学園を抜け出す中で、よく残る選択ができたものだ。

 まあ矢早銀は普段からまじめな印象だし、無茶なことに誘われても理性的に判断ができるのだろう。


「こんな世界にきて、状況もはっきりとわからないし。みんなは朝起きてからスキルとかいう不思議な能力が使えるようになったって騒いでいたけれど、そのスキルのことだってちゃんと把握してないまま学園っていう安全圏から出るなんて。馬鹿なのかすごく馬鹿なのかのどちらかでしょ。まあ、私は誘われてたんだけど」


 思ったよりも辛辣な意見でついていかなかったようだ。


「……え、最後のわざわざ言う必要あった?」


 三嶋が悲しそうだ。

 しかし委員長キャラというか、真面目そうな矢早銀だから学園を抜け出すようなことは内緒にされたりするものかと思ったのだが。


「まあ矢早銀さんは圧倒的な支持を得てますからね。主に女子からの」


 まるで自分に言い聞かせるかのように、すねた口調で言う。

 確かに整った顔立ちだし、大人びたというか落ち着いた感じはクールで女子からモテそうでもある。


「いやあ、矢早銀さんは背中で語るタイプというか、歩いてきた道が伝説というか――」

「工平。それ以上しゃべったら舌を五寸釘で打ち付けて切り刻むから」

「初手の忠告が厳しすぎない?!」


 思っていたのと違った。

 矢早銀のことが少しわからなくなる今日この頃だった。

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