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満月の約束


「ソニア令嬢?どうしたのだ?!」レオナルドはふらついて倒れそうになったソニアを抱きとめた。ソニアはゆっくりと顔を上げレオナルドに言った「陛下大丈夫です。ありがとうございます。」ソニアはレオナルドから離れようとした。しかし既に自分の体を支えられる状態ではなかった。「ソニア令嬢?」レオナルドは力が抜けたソニアを抱き止める。「レオナルド様、す、少しだけ、、このまま、、」そう言ってソニアは意識を失いかけた。「アニエス、、」アニエスを呼び目で合図をしアニエスはレオナルドにここからソニアを連れ出してもらるように頼んだ。レオナルドはグッタリしているソニアを見て息を呑んだ。見る見るうちに血色を失って息が途切れている。「ソニア嬢?しっかりするんだ!歩けるか?」レオナルドはふらつくソニアを支えながら誘導するアニエスに聞いた。「一体何が起きたのだ?」アニエスが振り返りレオナルドに説明しようとした時、急に動きを止めた。「ジェ、ジェラルド様が、、」ジェラルドが来たのだ。

「ん?ソニア?どうしたのだ?!」ジェラルドはレオナルドの腕に寄りかかっているソニアを見た。ソニアはジェラルドが来たことがわかりレオナルドの腕を掴んだ。ソニアがジェラルドに体調が悪い事を知られたくない言っている!レオナルドは頷きソニアの手を握り返し言った。「ジェラルド、今俺たちは久しぶりの再会を楽しんでいる。邪魔をしないでくれ」レオナルドは機転を効かせジェラルドに言った。ジェラルドはレオナルドの言葉を無視しソニアを見た。顔色が悪い!「ソニア?!どうしたんだ?!」ジェラルドはソニアの名前を呼んだ。ソニアは朦朧とする意識の中でジェラルドに言った「ジェラルド、、邪魔しないで」ソニアはそのまま意識を失った。その瞬間レオナルドは「ジェラルド、ちょっと失礼する。」と言ってソニアを抱き上げ会場を出た。「ジェラルド様」ルアーナがジェラルドを呼んだ。ジェラルドは両手を握りしめルアーナの元に戻った。


 レオナルドはアニエスの案内でソニアを部屋に連れて行きベットに寝かせた。程なく意識を取り戻したソニアは私は心配そうに見ているレオナルドに謝った。「陛下、もう大丈夫です。先ほどは機転を効かせてくださって申し訳ありませんでした」レオナルドは首を横に振り言った。「ソニア、何故こんな状態なのにジェラルドに隠すんだ?」レオナルドは真剣な顔をしている。「レオナルド陛下、答えなきゃいけませんか?」ソニアはうつむき言った。「答えて欲しい」レオナルドは言った。ソニアは目を閉じ少し考えそしてレオナルドを見て言った。「ジェラルドを愛しているからです」「愛しているのに何故言わないんだ?」レオナルドは少し責めるように言った。


「ジェラルドを苦しめたくない。ルアーナ様と幸せになってもらいたいから。同情の感情は欲しくないから。それじゃあ、そんな答えじゃダメですか?!私は真剣です。ジェラルドが好きだから、ジェラルドを愛しているからたとえ今ここで死んでも私は言わない。」ソニアは両手を握りしめた。「ソニアの気持ちはわかったよ」レオナルドはソニアのてをにぎったの手を握った。ソニアはレオナルドの理解に感謝し笑顔を浮かべ話した。「レオナルド陛下、先日ジェラルドとデートをしたんです。沢山のススキがあってその穂が空に舞い上がった情景は本当に綺麗だった。この景色をジェラルドが私にプレゼントしてくれたんです。その思い出があれば幸せだと感じたのです。これで十分です。ところで、レオナルド陛下。ソニアと呼べるのはこの世でただ一人だけですよ?」ソニアはそう言ってレオナルドに笑いかけた。一気に雰囲気が変わってレオナルドも少し救われた気持ちになった。「これは大変失敬ソニア令嬢。お詫びとして抱きしめても良いでしょうか?」「うふふ。お詫びになっていませんよ!」そう言って二人で笑った。

「レオナルド陛下、ご迷惑をおかけしました。どうかジェラルドだけには言わないで下さいどうか、どうかお願いいたします。」「わかった、約束する。その代わり今度公の場に出る時は俺がエスコートする、いいな?」「レオナルド陛下、ありがとうございます」ソニアはそう言ってレオナルドを見送った。


 お茶会が終わりジェラルドが部屋に来た。何も言わず突然部屋に入ってきた。ベットで休んでいたソニアは驚いて起き上がった。「ジェラルド、どうしたの?」ジェラルドは何も答えずソニアの目の前に立ち真剣な顔で言った「何を隠している。答えろソニア!」そう言ってソニアの手を掴んだ。「ジェラルド?痛いわ離して」ソニアは強く握るジェラルドの手を振り払おうとしながら言った。「ソニア、一体何があったんだ!」ジェラルドは手を離さない「ジェラルド、急にどうしたの?何のこと?」ソニアは誤魔化した。「ソニア、調子が悪いのか?いつから!どんな風にわるいのだ?」ジェラルドは聞いた。「ジェラルド、大丈夫だからそんな責めないで」ソニアは言った。

 「大丈夫?今日のあの様子を見てソニアが大丈夫だとし信じられるか?」ジェラルドは怒っている。強く握ら手ている手から怒りが伝わってくる。「ジェラルド、今日は久しぶりにレオナルド陛下にお会いして、お互いに嬉しくて抱き合ったのよ。まあ,私がジェラルドに失恋したから慰めてもらったわけよ!本人のジェラルドには言いたくないわ!」そう言ってソニアは笑った。ジェラルドは黙って悲しそうにソニアを見つめる。

 なぜそんな目で見るの?悲しいのはこっちなのに。「ね、ジェラルド一応私は失恋したんだからそっとしておくのがジェラルドが唯一私に出来ることなんだよ。わかったらもう怒らないでね」そう言って私を強く握るジェラルドの手にキスをして微笑んだ。ジェラルドは少しの間目を瞑り、「わかった。」っと答えジェラルドは大きく息を吐き言った。

「ソニア、婚約式の前日は満月なんだ、その夜少しだけ時間くれないか?一緒に月を見よう」ジェラルドは突然ソニアを誘った。婚約式の前日?そんな大事な日の前に?ソニアは体調の不安はあったけれどそれよりも一緒に月を見ようと言ってくれた事に喜びを感じた。これが最後。神様、もう二度とジェラルドに会わないから最後にこれだけは許して下さい。ソニアは笑顔を浮かべ言った。「ええ、わかったわ!約束ね」そう言って小指を出した。お互いの小指を絡めて約束をした。ソニアはジェラルドに言った。「ジェラルド、これは約束の儀式だわ!約束を守れなかったら、そうね、月を見るたびに思い出すってのはどう?」「何を思い出す?」ジェラルドは微笑みながら聞いた。「この約束を思い出して反省するの!約束守れなくてごめんね!って月を見るたびに思い出すのよ!死ぬまで!!」ソニアは笑った。ジェラルドも笑いながら「破ると大変そうだから守りたいな!」そう言って「ソニア約束だから守ってくれ」ジェラルドはソニアに念を押した。「ジェラルドわかったわ!」ソニアはそう言ってジェラルドに微笑んだ。ジェラルドは何かかんじているのかもしれない。ソニアはジェラルドを見つめた。ジェラルドは握っていたソニアの手を自分の方に引っ張り抱きしめた。突然の抱擁にソニアの心臓の激しく音立てる。ソニアはこの音がジェラルドに聞こえるんじゃないか心配になった。でもこのままずっとこうして抱きしめていて欲しいと思う気持ちも否定できない。

 

 

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