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TSの扉

作者: 葉沢敬一
掲載日:2023/05/28

毎週日曜日午後11時にショートショート1、2編投稿中。

Kindle Unlimitedでショートショート集を出版中(葉沢敬一で検索)

 その古城の深奥には扉に囲まれた部屋があった。それぞれに札が付いていて、ラテン文字で何の扉か書いてある。


 大学時代の友人と意気投合して、互いに実家に招待したりしていた。お互い異国の留学生だったので気があったようだ。彼は、日本の文化をいたく気に入り、卒業後も時々日本に遊びに来る。私の実家は旧武家屋敷だったので(郷土藩士の家系だ)、彼を同伴して実家に帰ったりしていた。「サムライ」は彼のお気に入りだ。


 でも、彼の実家が城持ちとは驚いた。そんなことは一言も言ってなくて、彼の国に着いたら車で迎えに来て、連れて行かれた。城は大きいだけで不便なんだよと言っていた彼は貴族の次期当主だった。


 今は城内の一部を高級ホテルとして経営し、会社を経営して、それで生活を賄っているようだ。

 そんな彼が、君だけに教える秘密の部屋というのがあるんだと、告げられた。


 扉を通ると異世界に行けたり、変わったことが起きる。


 異世界には、金と現代の日用品を交換している。ノートとボールペン、ライターくらいで小金になるという。


 祖父が脳溢血で半身不随になったとき、藁にもすがる思いで異世界を通り向こうの教会の聖魔法で治して貰ったこともあるという。


 彼は僕にその中の一つの扉を指し、入るよう言った。


「どうなるんだ」

「入ってからのお楽しみ」


 僕は、彼を信用しているので分かったと言った。悪いことはあるまい。彼とは親友だ。


 扉の中に入ったら、純白の光に包まれ、身体が大きく変化するのを感じた。胸が大きくなり、股間がスカスカになった。女体化だ!


 慌てて、扉から出る。どういうこと?


 そうしたら、彼が、

「君が好きだ。前から女の子だったら結婚したいと思ってた。でも、僕はゲイじゃない。どうかそのままの姿でいて、僕と結婚してくれ!」

 と言って、僕をキツく抱きしめた。


 嵌められた、と思ったが(実際にハメてない)、彼は僕のことをそう思っていたのかとビックリした。


 そして、彼は指輪を取り出すと、僕にプロポーズした。


 僕はどうすれば、てか、戻る方法はないの? まだ、心は男なんですけど!


 差し出された指輪を前に僕は呆然としているだけだった。

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