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第2話 少女に力を貸してみる






「安心してくれ 君に危害を加えるつもりは無い」


「ほ、本当ですか・・・? あの、助けてくれたんですよね・・・ありがとうございます・・・」


「ああ、礼には及ばないとも、何やら困っていそうだったのでな」


「あと これで体を覆っておいた方がいい」


 ブラックホール状のアイテムボックスから黒い布を取り出し少女に手渡す。


「キャッ!・・・あ、ありがとうございます///」


 自分の今の姿に気付いたのか顔を真っ赤にしながら布を受け取り体に巻きつける、まだ恐怖で全身が震え言葉が上手く出てこない様子だ。


「落ち着いたらでかまわないのだが 何があったのか聞かせてもらってもよいかな?」


「は、はい 実は私冒険者をやっていて魔獣退治の依頼を受けてきたんです」


「それで 目的地に向かう途中で盗賊達に?」


「はい・・・私 パーティを組んでここまで来たんですが私のせいで罠に掛かってみんな捕まってしまって 砦に連れて行かれる途中で私だけなんとか逃してもらったんです・・・」


「君の仲間は今どこに?」


「ここから東にある盗賊達の砦に幽閉されています・・・お、お願いします!大事な仲間なんです!どうか助けて頂けませんか!私に出来ることなら何でもします!!どうか・・・」


 ここまで懇願されては流石に断れない・・・街の方角を聞ける様な人物もこの子とこの子仲間だけだ・・・それに何よりこんな状態の子を放っておける訳も無い・・・。


「何でもか・・・」


「!ッは、はい!私なんかに出来ることなら何でも・・・!」


「では、君の仲間を助けたら案内して欲しいところがある、そこまで案内を頼みたい」


「・・・え?」


「ダメか?だったら・・・」


「そ、そんな事ないです!! それぐらいだったらいくらでも案内させていただきます! なので・・・どうか仲間を・・・」


「よし!では早速出発しよう、君も心の整理が必要だろうが時間が無さそうだ、盗賊共の砦まで案内を頼めるかな?」


「はいこちらです!」


「ああ 少し待ってくれ」


 歩きで行こうとする少女を止めたのには理由がある まず歩いていくには遠すぎて手遅れになる可能性がある。


 一面が緑の草原でどう考えても近場に砦なんか無いしな・・・。


 それから この世界でも“アレ”が呼べるか試してみたい。


「“常闇の黒馬“(コシュタ・バワー)!」


「フシュー ブルルルッ!」


 黒く歪んだ空間から漆黒の巨体を持つ馬が姿を現した、成功したか・・・。


 “首無し馬“(コシュタ・バワー) はデュラハンが乗っているとされる首の無い馬であり流れる水を渡れないといった弱点も持つ事で有名な馬だ。


 だが首はついているし全身が黒く紅い瞳を持つ筋肉質な巨大な馬となっている。


 ゲーム内での移動手段は基本的に馬だったしそれが呼べるかどうか試したかったが上手くいった。


「よし では君も私の前に乗ってもらえるかな?」


 馬に素早く乗り少女に手を差し出したが少女は馬を呼び出した事に対して驚いていた。


「召喚魔法!?・・・スゴイ・・・!」


「この馬は私の愛馬でね 敵でなければ危害を加えることは無い 安心して乗りたまえ」


「はい!分かりました!」


「よし行くとしよう」


・・・・・・・・・・・・・・・・・


 速い・・・中身がスカスカとはいえ全身鎧の大男ともう一人の人間を乗せてるとは思えないほどの速度だな、ゲームより早いんじゃないかと思うほどだ。


「は、速い・・・!」


そういえばこの子の名前も知らないんだよなこんな見た目だし、怖がられないようにしないとな。


「そういえば君の名前を聞いていなかったな私は・・・」


 この世界での名前も必要か、日本語じゃ変に目立つしここに馴染める名が必要だ。


そうだな・・・中二病の俺らしい名前でいくか。


「私は“ヴィス・ヴァルディ”だ 好きに呼んでもらってかまわない」


「私は クレア・バルディス といいます・・・クレアと呼んでください」


「クレア殿だな、森に入ったが盗賊の砦は こちらでよいか?」


 森に入り馬の速度を緩めながら案内に従い森の奥へと進んでいくがまだ砦らしきものは見えないが・・・。


「はい このまま進んでいけばもうすぐ見えてくるはずです!」


「・・・」


「なに、そう心配そうな顔をするな万事上手くいく」


「はい・・・この辺りの筈なんですが・・・」


 森の奥にたしかに砦らしきものが見える これ以上近づくと気付かれてしまう可能性があるので草むらの影に馬を止める。


「あれか・・・」


「えっ・・・砦が見えているんですか?」


「ああ、君には見えないか? 少し待ってくれ」


 あの建造物が本当に盗賊のアジトなのか彼女に確認してもらわないとな、えっと確か双眼鏡があったはず・・・。


「クレア殿、双眼鏡だ、念のため確認を頼みたい あれが仲間が囚われている砦か?」


 馬から降り砦の様子を確認する、やはり草原で彼女を見つけた時にも思ったが視力が強化されているみたいだな 日の光がほぼ無い森の中で1キロ以上離れている砦がくっきり見える。


「ありがとうございます・・・えっと、そ、そうです! あの砦で間違いありません!」


 鉄の門が降りている以外は見張りが4人おそらく門の上にも数人はいそうだな。


「クレア殿はここで隠れて待っていてくれ この馬の側にいれば安心だ 念のため防護魔法もかけておく」


「・・・え あ、あの・・・!」


ここまで読んで頂きありがとうございます。


『面白い!』


『続きが気になる!』


『まあまあやな!』


と感じてもらえたら広告の下にある【評価】を付けて頂けると幸いでございます。


面白ければ【★★★★★】


つまらなければ【★☆☆☆☆】


もちろん素直なお気持ちで大丈夫です。自由な評価をお待ちしてます。


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