吸血鬼
「眩しいから、カーテンを閉めて」
確かに、彼女は日光が嫌いだった。そのせいか、透き通るような白い肌をしていた。
今、彼女は鋭い牙をむき出しにして、今にも僕に喰らいつきそうな顔をしている。
僕は唇の端をそっと持ち上げて、彼女に微笑んで見せた。
彼女になら食べられても構わないと思った。
次の瞬間、彼女は僕の首筋に噛みついた。彼女の白い頬が、僕の血で赤く染まった。
しかしすぐに、首筋の鋭い痛みが引いた。彼女が噛むのをやめたのだ。彼女の顔をみたら、大きな瞳から涙が一筋流れていた。
「君は優しすぎる」と言うと、彼女は泣きながら笑い、やがて朝日に吸い込まれるように消えてしまった。