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花占い

作者: 菜畑三太郎

 スキ、キライ、スキ、キライ。


 一枚一枚花びらを摘み、ちぎる。少しずつ美しかった花が惨めな見た目になっていく。


 スキ、キライ、スキ、キライ。


 僕は彼女が大嫌いだ。

 LINEの返事が遅れると怒られる。仕事が忙しくて構ってあげられないと叩かれる。


 スキ、キライ、スキ、キライ。


 僕は彼女が大好きだ。

 初めて人を信じることを教えてくれた。僕が落ち込んだ時に頭をなでて泣き止むまで抱きしめてくれた。


 スキ、キライ、スキ、キライ。


 僕は彼女が大嫌いだ。

 自分は料理をしないくせして、僕の料理を不味いと言って残す。僕が靴下を脱ぎ散らかすと怒るくせに、自分は昨日着た服を床に脱ぎ捨てている。


 スキ、キライ、スキ、キライ。


 僕は彼女が大好きだ。

 彼女はスタイルが良く、男受けが非常に良い。友人からはお前にはもったいないと言われるほどの美貌の持ち主だ。


 大好き、でも大嫌い。大嫌い、でも大好き。




 花占いは、終わらない。


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