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不安な奴は読め。  作者: こども
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文字というもの

 自分の部屋と自分の心の状態は比例していたりする。眠れない時ほど良い文章を書けたりする。ロクでもない事ばっかりの時の方が楽しかったりする。どうでもいいことを知っている分だけ人生が楽しくなる。死ぬために考えていた倫理道徳や哲学が自分を支えてくれたりする。矛盾だらけの世界。


 「若い」というのは総じて無力で、それだけで世界から軽蔑されているような仕打ちをたくさん受ける。年齢を重ねるごとに自殺率は下がっていく。人間種内での自然淘汰なのかもしれない。綺麗事抜きで言うならば、金のない奴から死んでいく。金があれば大体の病気は治る。ほとんどの悩みは解決する。目の前の紙幣を破り捨てるから、どうか意味のない全ての争いをやめてほしい。


 「文字が出来てからというもの、おかしな事ばかりだ」と古代エジプト文明人は残す。頭痛の患者が増え、心を暗くするもので国は溢れ、飯は不味くなったという。文章や唄、叙情性や感動など全ての根幹になる文字が実は諸悪の根源だったりする。麻薬みたいなもので、使っていない時の不安や苛立ちをそれによって解消している。


 痛みや苦しみと引き換えに感動や美しさを表現できる諸刃の剣。人間にだけ許された特異な行動は、今、我々を苦しめ、救っている。

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