死にたい人は、もし良ければ読んでください。
「今の幸せがずっと続いてほしい」というのは至極贅沢な願いであることをようやく知った。僕達の幸せなんて一瞬で消える。知覚することもできないまま、対処など追いつかぬまま、手遅れの現実に絶望する日々が明日にはやってくる。それが人生なんだということを納得できなかった奴らが、早々と命を絶っていく。旨いものを食っている時、恋人と愛し合っている時、少しだけ金銭的に余裕ができた時、良いことが重なった時、その幸せ全て、明日には消消しになる。そう約束されている。
「現実は残酷だ」とは正確ではないと思う。現実は残酷で凄惨で意地汚いものだからだ。ふと、今の生活があと40年、50年、60年と続いていくことを考える。美しいまでに慈悲のない世界で、衣食住と3大欲求を満たすためにボロボロになって働き、どこで誰とどんな暮らしをしてもそこそこの幸せを得て、「それなりの人生」になっていく。
そう。どんなになっても僕達はそこそこ幸せなのだ。どんなにいい暮らしをしても、どんなにいい異性と付き添っても、何がどれだけ良い方向に向かおうとも、「そこそこ」で終わりだ。上から下までみんなそこそこなんだから、めんどくさいからもう全部「最高」でいい。何がどんなになっても大丈夫。全部最高で、全部一瞬で終わる。
もし今あなたが「死にたい」と考えているなら、もう少しだけこの先に付き合ってください。
期待させると悪いから先に言っておくけれど、僕はあなたを救えない。大したことも言えない。少しの自分語りと、あなたへのメッセージです。だから適当に、それでも、もし最後まで読んでくれたら嬉しいと思う。
まず、お疲れ様。いつも辛い現実に直面して、それでも投げ出さずに生きている。何かを諦めたり、捨ててきたかもしれないけれど、今こうして僕の文章を読んでくれている。この世に存在している。それが何よりも僕は嬉しい。
もしかしたらあなたは「死にたい」と思っているかもしれない。そうでなくても、漠然と「誰もいないどこかに逃げ出したい」という衝動に駆られているかもしれない。もしくはただ暇だから読んでくれているかもしれない。
少しだけ僕の話をする。高校生から大学1年あたりまで、生き方について散々悩んだ。この投稿を始めたのもその時期で、「生きていけない」と思っていた。こんなに辛いことばかりの世の中で、自分が5年後10年後生きている姿が想像できなかった。毎日吐いていた。泣いていた。誰も僕のことを知らないどこかに行って、独りで野垂れ死んでやろうと思っていた。助けてくれる人なんて当然いなかったから、自分に向けて手紙を書くことにした。それがこの投稿の始まりだった。
以前は「死にたい」と思っている自分や他人に対して、感情のままに訴えることしかできなかった。「生きろ」とか「死ぬな」とかそれしか言えなかった。
今の僕にはそれほどのパワーは無くなってしまったけれど、その代わりちょっとだけ違うことが言える。偉そうに講釈垂れるから、眠かったら寝てください。
あなたは今、不安で不安で仕方なくて、心がぐちゃぐちゃになってしまいそうかもしれない。嫌なことしか起きないかもしれない。負けそうかもしれない。逃げたいかもしれない。それでも生きなければいけない。この孤独な世界で生きなければいけない。
何をしても構わない。何をどれだけ傷つけようとも、誰をどれだけ泣かせようとも構わない。どれだけ自分を罰しようとも構わない。みっともなくていい。何がどんなになってもいいから、生きていてほしい。今これを読んでくれているあなたに生きてほしい。きっとあなたは優しい人だから。思いやりがあって、温かい人だから。もしそうでなくても、自分でそうは思わなくても、必ずなれる。
今真っ暗な目の前が、もう少しで明るくなる。具体的には答えられないけれど、その時は必ず来る。色々なことを一つずつ、許せるようになる時が来る。生きていく上で本当に大事なことが少しずつ分かってくる。ムカついていたものがふと、愛おしくなることもある。心が自分に追いつく感覚が、自分が世界に追いつく感覚が必ず来る。
その時、今まで嫌だったことや辛かったことは別に消えるわけじゃない。そのまま存在して、きっとこれからもあなたの側にいて、時には苦しめることもあるかもしれない。それも含めて、笑える時が来る。何も解決していないのに、何もいい方向には向かっていないのに、それでも、全部何もかもをひっくるめた自分を少しだけ好きになれる時が来る。心の底から笑える時が来る。
あなたに寄り添ってくれる人が必ず現れる。そこに容姿は一切関係ない。あなたが正しく、美しくあろうとしていれば必ず現れる。孤独な世界を生きていくのを手伝ってくれる人が現れる。
何一つ根拠はないけれど、必ず全部実現する。何も変わらない。未だに嫌なことばかりで、ムカつくことばかりで、泣くことも増えた。そして少しだけ穏やかで笑顔になれる時間が増える。
辛くていい。苦しくていい。笑われていい。惨めでいい。逃げたかったら逃げなさい。1万円あればかなり遠くに行ける。弱虫だとか情けないとか、「死ぬのは逃げ」だとか全部どうでもいい。下らないものばかりの世界を生きている。どうしようもない奴らには舌打ちしたっていい。「死ね」って言い放ってやってもいい。
残酷なことを言うけれど、今のあなたの悩みは本当にちっぽけで、取るに足りない出来事なんだ。そんな些細なことで死んでしまうほど人間は弱っちくて、そんなことで死んでしまえるほど人間は強い。自分を大切にすることが何よりも難しい。
おすすめのストレス解消法は、手指が粉砕骨折するまで壁や床を殴り続けることと、喉から血が出るまで叫び続けること。すごく痛かったけれど、結構スッキリする。癖にならないように。
ここまで読んでくれてありがとう。最後に、少しだけ大事なことを言っておく。
散々悩んで、頑張って、それでも死にたかったら別に死んでもいい。あなたには未来があって、これからたくさんあーだこーだと説教してくる世の中だから、それほど生きていることが美徳だとは思わない。悲しむ人がたくさんいるだろうが、自分がよければ別にいい。自分を大切にした結果であればそれでいい。
誰に何を言われても、何も変わらない。一生悩みは尽きない。本当に死にたければ死んでいいと思う。でももし「死にたい」ではなく「助けてほしい」のであれば、少し僕のことを信じてみてほしい。今の自分が未来の自分を支えてくれる時が必ず来る。
長々と読んでくれてありがとう。もしいつか出会うことがあったら、お酒でも呑みましょう。もし駄目そうだったら、それはそれでいいんじゃないかな、とそう思って今僕は生きています。
さよなら。




