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不安な奴は読め。  作者: こども
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早朝、妄言。

 何か猛烈に、正体不明の何かに襲われている。日常の中での至極小さな嫌悪感とか、誰にもみられていないけれど一生自分の中では消えない罪とか、思春期の蒙昧な思考から抜け出せない焦燥感とか、将来というものを諦め切れていない漠然とした不安が少しずつ大きくなっていく。


 「大丈夫だ」と他人は言う。他人には言える。そしておそらくそれは正しくて、考えないのが絶対的に正解なのであって、誰しもが全身のどこかしらで抱いている普遍的な絶望なんだろうと思う。


 何一つ馬鹿にする事なく生きていくことは難しい。思っているよりもこの世に馬鹿は多いからだ。寝不足だったり疲労困憊の時に起こす自分の罪はひどく醜くて、人生は自分との戦いであるとはよく言ったもので、そんな事ばかり考えている内に、嫌なことがあると酒を飲む年齢になってしまった。


 優しさを知った。許す強さを知った。愛を知った。何をどれだけ知ってもこの世は分からないことばかりで、幾つになっても朝3時に哲学をする癖は治らない。家の匂いは変わってしまったと気づいた頃にはもう手遅れで、自分以外入れない部屋の鍵をなくしてしまうことも増えてきた。力がなくても人を殺せるほどの狡猾さは持ちあわせていて、正しさとは何かと自問する自分を追い詰めていく。


 きっとそんなことがわかっても何も変わらない。分からなくても大丈夫で、不安でも大丈夫で、きっと僕たちは大丈夫なのだが、そう言う話ではない。大丈夫だとか大丈夫じゃないとかの話ではなくて、そんな高俗な話ではないのだ。もっと初歩的で、安直で、どこにも下らないような次元の話で、きっといざという時に支えてくれるのはそんなどうしようもない何かなんだと確信している。


 単純な知的好奇心の赴くままに世界を見たい。優しくなければ生きている意味がないからだ。

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