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不安な奴は読め。  作者: こども
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死にたい奴は読め。他は失せろ。

 20歳で体感時間にすると人生の半分は終わっている。創造的人生の寿命はせいぜい10年らしい。極端な話30歳で人生は終わる。お前はどうだ。いつか死ぬ。当たり前だけど忘れがちなことで、ふとした時には死にたいなんて考えてしまう。人生の半分終わった。長く暗い時間だったけれど人生こんなもんかとも思う。一瞬一瞬を全力で生きる必要なんてない。自分で納得できさえすればいい。五月蝿い外野は殺してしまえばいい。ムカつくことも嫌なことも発狂するくらい頭がおかしくなりそうな衝撃もあと半分だ。まだ半分だ。もう半分だ。それでもあと半分生きられる保証なんてどこにもない。明日車に轢かれて死ぬこともある。


 「死にたいなら独りで死ね」と言う人は多い。朝の電車を止めるな、人に迷惑をかけるな、死にたければ死ねばいいじゃないか。うるさいうるさいうるさい。お前らみたいな奴らがどうなろうが知ったこっちゃない。最期の抵抗。最期の、振り絞った勇気と、打ち砕かれた優しさをかき集めて世界に挑戦するその瞬間にお前らみたいな馬鹿が入る余地があるわけないだろう。誰も助けてくれなかったお前らのことなんて考えるはずがないだろう。学校に会社に遅刻しようが先生に上司に怒られようが残業しようがこっちは微塵も痛くない。優しい人間をこんなにしたのはお前らだ。バカばっかりの世界が、退屈な世界が、至極純粋な悪意がいつだって人を追い詰める。今この瞬間も。電車の運転手の離職の8割は精神疾患だが原因で、自分が運転する電車が人を粉々の肉に還す瞬間を毎日見ていれば気も狂う。世界は間違っているとか社会が悪いとか、多分そう言うことじゃあないと思う。


 社会は確かに悪い。世界は確かに間違っていて、どうしようもない馬鹿ばっかりで救いようのないクズばっかりで頭すっからかんの猿しかいないような世界を誰が作ったんだって恨みたくもなる。神はいない。世界を作ったのは間違いなく退屈な人間で。それでも僕たちは許さなくちゃいけない。全てを。ムカつく全てのゴミクズを許さなくちゃいけない。汚れた自分を許さなくちゃいけない。誰からも褒められなくても生きなければいけない。「産まれてきてくれてありがとう」って言ってくれる人がもしいたら一生かけて大切にするべきだ。見た目も中身も整えなくちゃいけない。「なんでこんなことしてるんだ」って四六時中考える。何も始まらないことも何にも解決しないことも何もいい方向にはいかないと分かっていても自問自答せずにはいられない。「人生とは?」なんていう世界一無駄な時間を過ごしたこともないようなやつの話なんて一切聞きたくない。生まれ変わったら人間がいい。今世界に蔓延ってる生物は人間じゃない。だったらあれはなんなんだろう。


 尖る必要もない。生きていくのに金も地位も権力も愛も必要ない。夜眠る能力と、眠れない時に散歩できる精神状態があればいい。死にたきゃ死ね。半分くらい捨てても痛くも痒くもないよ。クソみたいな人生半分切ろうが、明日はくる。陽は昇るし馬鹿は馬鹿のままだし世界は世界、日は落ちる。勇気出るならさっさと死ね。本当は違うなら、今日はもう寝なさい。おやすみ。

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