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不安な奴は読め。  作者: こども
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望遠鏡もない夜に

 大して興味もない星の知識をネットで漁っていたのは夜に会いたい人がいたからだし、近くの展望台を探したのはホテルに誘う勇気はないけどまだ帰りたくなかったからだし、せっかく花火を見に行ったのに全く集中できなかったのは隣にいた人がどうしようもなく特別だったからで、どれもこれも夏のせいだといわれのない非難を浴びる8月ももうすぐ半分終わるけれど、皆さんはどうお過ごしですか。


 真夜中に一緒に浜辺を散歩したり、浴衣の非日常さに感激したり、クソみたいに蒸し暑い夜でもお互い繋いだ手は離そうとしなかったり、「この時間が永遠に続けばいいのに」と急速に過ぎる日々の中、頭の片隅で考える。つい最近まで死ぬことしか考えていなかったのに、自らの生死なんてどうでもよくなるくらい大切な人ができて、その人が自分の隣にいてくれて、「大丈夫だよ」と言ってくれる。何に対して大丈夫なのかも分からず、何を根拠に言っているかも分からないのになぜか「大丈夫」な気がしてしまって、よく分からないまま「まあいいや」って生きていけるような、そんな季節になることを願う、夏。 

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