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不安な奴は読め。  作者: こども
133/138

宇宙一下らない話。

宇宙一気高く美しい女性の話をしよう。


10年前に夫と死別し未亡人となるが、彼女には子供が2人いた。高校2年生の長女と小学5年生の息子だ。夫の残した貯金は800万円。これが多いか少ないかは諸君の判断に委ねようと思う。彼女は介護職で週5日パートをしていた。手取りは月18万円。これに関しても多いか少ないかはこちらからは言及しない。彼女の当時の年齢は40歳。持病の潰瘍性大腸炎と、夫を失ったショックで不眠症を患っていた。


あえて一言で言おう。「地獄の始まり」である。


後に長女は看護学校へ進学し、看護師免許を取得し看護師となる。夫の残した800万円はいとも簡単に学費へと消えた。長女は社会人2年目で懐妊、10歳年上の男性と結婚し母親となるが、それはまた別の話である。


一方地元の中学に進学した息子を雇うために週5日パートを続ける彼女に残されたのは、息子が自立するまでの期間に対する親としての責任と労働義務である。それでも彼女は決して逃げなかった。よく働き、家事もこなした。意外なことに息子の成績は優秀で、部活動では部長も務めた。真っ当に育つ息子が彼女にとっての支えになることもあったかもしれない。しかし、人間には誰しも限界がある。息子が中学3年の時だ。受験勉強に励む息子の傍で、彼女の精神は崩れ始めた。

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