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お別れの詩
今私が住んでいる家は3ヶ月後には誰かが住んでいて、二人しか知らないような裏道は思い出に溶けていって、会う前にコンビニでハーゲンダッツを買っていくこともなければ、傷付けまいと無理に優しく振る舞う必要もない。そんなことはもう2度とないのだ。
あんなに好きだったけれど、ほんの少し先の未来さえ示してやれなかった。経った二人の世界が終わる。この大宇宙の小惑星の中の、ちっちゃな島国の中の世界が、毎日無数に終わっていく。私たちも御多分に漏れず、終わったのだ。それだけだ。
あなたがいなくても、お腹は減る。夜は眠くなるし、朝は目が覚めるし、満員電車に乗って、ちゃんと行くべき場所に行く。一日頑張って帰る。その繰り返しで。あなたがいなくても、きっと私は平気で生きていける。すぐに新しい人と出会って、遠くない将来にはあなたのことを忘れたことすら忘れるんでしょう。
いつかまた会うことがあったら、その時にはどうか笑顔でいてください。
愛していたよ。




