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不安な奴は読め。  作者: こども
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ディストピア

 使われるだけの人生。捨て駒の様に都合のいいように使われ、駄目になったらお仕舞い。代わりは80億人いる。愚かなまま僅かな自己肯定を繰り返し生き永らえるだけの生活。脳味噌の誤作動によって結婚なんかするかもしれない。子どもなんか作るかもしれない。愛を誓おうが血が通っていようが全部他人で、結局独り。


 何も変えられない。誰も救えない。自分自信ですら愛してあげられない毎日。ぼろ雑巾みたいになったら最期、燃やしてゴミ箱に捨てられる。墓はない。全身売り飛ばされてどっかのデブの財布を肥やす種となる。


 人類の7割はこれより非道い人生を送っている。


 「死にたい」と思わないように寿命がある。それでも死を前借りする人が山程いる。埋め合わせはあの世か来世か。正誤も善し悪しも無駄だから止めるべきだ。意味があるかないかも明らかにならない。他人の死にたがる理由なんか一生理解できない。自分の悩みですら正確に認識できないのに。誰かの「死」に虚しさを覚えることすら出来ない。


 たくさんのものを下らないと見下すようになる。愛した人の欠点でさえも。あの日信じたものを信じたままではいられなくなる。自分は正しいのに、正しい筈なのに、何から何まで行き詰まるようになる。


 鈍い感性じゃ太刀打ちできない現実がもうそこまで迫っている。何もできないまま、ただ、待つだけ。

 

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