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不安な奴は読め。  作者: こども
102/138

全部お前が悪い。

 冬が来る。半年間やり残したことが襲いかかってくる季節。また1年を無駄にして、負債まみれのまま新しい年が始まっていく。溜まった想いを今年に置いていくことはできず、本当は忘れてしまいたいものばかりを引き連れて次の年へ向かっていく。


 冷たい風は不思議と嫌なことばかり思い出させる。朝昼夜の温度差で全部台無しになる。それでも日本に四季があって良かったと思う。美しくも残酷な環境が与える負荷によって多くを感じ表現され、文化は発展してきた。


 現代人は誰しも心を患っていると長年思っていた。本当にそうだろうか。目に見えぬものを病気として恐れ、烙印を押され、自己否定を繰り返し良い方向に向かうのだろうか。


 金がないのが悪いのだろうか。勉強しなかったのが悪いのだろうか。怠惰に生きてきた。けれど、皆どこかで必死なんじゃないのだろうか。たったそれだけで気ままに生きられる権利を失うのは、本当に正しいのだろうか。


 使えるとか使えないとか、頭が良いとか悪いとか、資格が有るとか無いとか、本当に大事なのだろうか。頭がよくて勉強も仕事もできて国家資格を持っていればきっと人生楽しい。そうでなくとも、何か1つ自信があるものがあれば人生楽しい。


 8割の人間は馬鹿で金も特技もなくのうのうと生きている。そんな僕達だからこそ気付けるものがあって、大切なことをたくさん知ることができる。


 惨めでも全然大丈夫。

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