なし10
好きになってしまった人に好きな人がいたらどうするか。答えは簡単だ。どうもしない。片思いだろうが付き合っていようが結婚していようがそんなこと一ミリも関係ない。まず会いにいく。それだけだ。私たちにできることなんてそれしかない。自室でニヤニヤ泣いて、ウジウジ自分のを見てうっとりなでなでしている暇があったらとりあえず会ってこい。会いたくない時はだいたい会いたい時だから会ってこい。誰もお前の秘められた思いになんて気づかないし興味がない。相手が独り身になるまで我慢するだの、構わずアピールするだの、相手の幸せを祈るだの、全部嘘だ。相手が目の前にいない時に出した結論なんて、自分の宇宙の中だけで選んだ答えなんて、ちっとも美しくない。法律も道徳もモラルも全部ぶっ壊してしまえ。誰しもぶっ壊せる力が備わっているのだから。後先考えずただ会いにいけ。相手にかける迷惑なんてそんなもの存在しない。迷惑がもしあるのなら、そもそもお前に惚れられた時点でそうだ。会った後は、食事するなり、想いを伝えるなり、幸せを願うなり、セックスするなり勝手にしろ。自分と相手が出した結論が、起こってしまった事象が全て真実だ。この宇宙で唯一の真実だ。略奪だのなんだのとくだらないことを言ってくるやつはお前から追放してやれ。人間は誰のものでもないし、心は本人自身から奪わなければならない。相手の幸せが自分の幸せなんて言ってしまう気持ちの悪い、なんの魅力も香りもない人間には死んでもなりたくない。だったらいっそ、犯罪者にでも人外にでもなってしまったほうがよっぽど良い人生じゃないのか。だがそうすると昼ドラが必要なくなってしまうから、ほんの少しだけ残念かもしれない。
全国の恋に愛に悩む人々。気持ち悪い。やりたいようにやって、成り行きに任せてみる。望んだ結果になんてならないだろうし死ぬほど後悔もするだろう。そんな時は最初から何をどうしてもそうなっていたから仕方ない。惚れたら負け。平安時代、もしくはもっと昔から続く理だ。一生何かを背負うこともあるかもしれない。自分らしくやったということが何より重要だ。自分らしくやって傷ついてしまったら、明日から、少しだけ素敵な人間になってしまうしかない。
良い人生を。




