第一章四話「本名押ししてみた」
イクルミのペーパーの順位は4位だった。イクルミ自身妥当な結果だと思っていた、先輩が卒業して新入生が入部して初めての部内杯であることを考えれば当然の順位である
「次のラウンドは2グループに分けて32×の早押しクイズを行います」
3問正解で勝ち抜け、2問不正解で失格というルール
「ただし1年生はアドバンテージとして23×になります」
1年生にも優しい(はずの)企画である
企画参加者は14名のため7人グループを2つ、つくることになった
イクルミは後半グループ、カブラタは前半グループであった、おそらくペーパークイズの順位の数字が奇数偶数でわけているのだろう
「あ、いい忘れていたけど勝ち抜けは3名です」
イクルミは少なくとも1年生には格の違いを見せつけたいと思った
「まずは前半グループ、ボタンについてください、ではカブラタからボタンチェック」
ボタンチェックとは簡単にはいえば、ボタンを試し押しして正常に作動するか確認する行為である
ポーンと響く電子音、その後すぐに流れる正解音、それが7回繰り返された
「皆さんボタンは大丈夫ですね」
皆、ボタンをすぐさまに押せる体制をとっている
「それでは参ります、1問題目−−、本名は『カイハツヒカル』/」
押したのはカブラタだった