プロローグその2
「えー、この部分を聞けば、答えはひとつに『限定』できるのでここでみんな押してきます。答えがひとつになる部分を『確定ポイント』と呼ばれています。よくわかる例が択一の問題とかで『世界三大珍味』の三つとは、トリュフとキャビアの『キャ』かフォアグラの『フォ』が聞こえた時点で押して行ってない方を答えるとそういうわけなんですよねー」
4月になって、高校の新学期迎えて3週間ほど経過し、クイズ研究会にも新入生が入会した。
部室では新入生に対して、黒板をでかでかと使ってクイズの基本的な文章構造を解説している。ここのクイ研では毎年行われている。
「あ、でもたまにハリセンボンのメンバーの苗字とか答える問題で『はる/』でちょっと速く押しちゃって、『はるな』か『はるか』どっちか判別できなくなっちゃたりするから気をつけろよー。まぁ、でも、2択だからつっこんで押してもいいんだけど」
熱心に教えている彼の名は王生。2年生でこの小説での主人公(予定)。前回の「ハッチョウトンボ」とか答えて間違えた人。クイズの実力的には平々凡々。決して強いとはいえない。
中学生の時からテレビのクイズ番組に憧れて、クイズ研究会のある高校に進学し入会。クイズ歴2年目。
「とりあえず、話すことは話したな。技術的なことはまぁ、追々話すとして、かるーくクイズして終わりますか」
そのまま、今日のクイ研の活動は終了した