第一章七話「マロニーちゃん」
『sweet sake』を直訳すると甘い酒、まさかな…
「あま…ざけ…?」
ピンポーン
賭けに勝った
「…『飲む点滴』とも呼ばれる飲料はなんでしょう?正解は甘酒」
「ひっどい前フリだな(笑)」
カブラタが野次を飛ばしていた、部長ってやっぱりみんなから愛されてるなー
なんやかんやでリーチ、余裕が出来た
「問題、女子高生向けの雑誌で…」
(あっ、知らないやつだ…)
「ポップティーンを発行してるのは『角川春樹事務所』ですが、セブン/…」
「はい、マロニー」
「えーっとね、集英社」
「おー、正解」
「やっぱりね、女子問はね取らないと」
男子の方が圧倒的に多いクイズ界において、こういう問題が出たときに対応できる男子は少ない
「流石だな、麿利ヶ崎さん」
麿利ヶ崎さんは三年生唯一の女子部員で、女子力が高そうな問題が得意だが、本人の女子力は低い。昔『マロリー』と呼ばれていたが、本人は嫌がってたようで、いろいろと妥協した結果、『マロニー』と呼ばれるようになった。帰国子女らしい。
「問題、『食事と一緒に飲むサラダ』という飲料を販売してるのはカゴメですが、『飲むサラダ』/…はい、マロニー」
「あ、やっちゃったなー、確定してないや…んー、『ガスパチョ』…?」
ピンポンピンポンピンポン
部長がブザーを連打してた
「『飲むサラダ』とも呼ばれる、とくにスペインで食べられる冷製スープはガスパチョですねー」
「『マテ茶』もあったからあぶなかったわー」
「さすがマロニー」
「馬鹿にしてんのか(笑)」
クイズ界隈でテンプレとなりつつある掛け合いをした部長とマロニー先輩だった