第一章五話 「呼び名がかわっていた」
「えーっと、なんだっけ、『HIKAKIN』でいいんだっけ」
ピンポーン
正解音が鳴った
「本名は『開發光』、ヒューマンビートボクサーとしても有名だが、なぜだか嫌われているユーチューバーは誰?正解はHIKAKIN」
「問題文ひどいなw」
周りからの声がもれる
「2問目、その前の芸名は『東京名物大神本舗五百年』であった、『水曜日のダウンタウン』内で改名が発表されたオフィス北野所属芸人は誰でしょう?」
「うわ、なんだっけ、その回見たんだよ」
皆、一生懸命頭をひねる
ポーン
そんななか、押したのは一年生だった
「たしか…、『ダイオウイカ夫』」
「おお、すごい正解。なんとかひねりだしたね」
正解した人物は南足、新入生のなかでは筋がいい
「では次、ワイン発祥の地があるとされる、首都をトビシリに/置く…」
押したのはカブラだ
「はい、カブラタ君」
「グルジア!」
「うーん、もういっかい」
カブラタは一瞬驚いた
『もういっかい』とは、その解答は惜しいが、そのままでは正解にならない場合に出題者側がコールする。
「えーとねー、うーん」
(あっ、そっか)
イクルミは気付いた、周りも何人かは気付いたようだ
「5…、4…、」
カウントダウンが迫る
「えーと、グ…グル…」
ブーッ 不正解のブザー
「カブラタクイズ君残念、首都をトビシリに置く国は『ジョージア』でした」
「あっ、そっか名称変更してたわ」
一般のテレビ番組のクイズではもしかしたら正解になるかもしれない。しかし、競技クイズでは出題者側が事実がかわった問題をあえて出題し、自信の情報の更新が行われているか試す問題が出題されることもある。
イクルミは改めて抜けがないか調べようと思った