プロローグその1
「なぜ山/に」
ポーンッ
ランプが光った
「マロリー!!」
ブーッ
不正解のブザーが鳴った
「えっ」
「今の問題は『なぜ山に登るのかと聞かれて、そこに山があるからと答えたのはマロリーですが、なぜ、ゲームをするのかと聞かれて、そこにエンディングがあるからやと答えた−−』」
「課長かよー」
男は周囲に聞こえるようにあからさまに言った
周囲はその反応を見て笑ってる人は多数いた
「言ったろ、今日はバカ問多めだって」
「『なぜ山』って聞こえたから自信たっぷりに答えて超恥ずかしい」
「運ないな」
「うるせぇ」
−−学校のとある教室で部活の活動が行われていた
正確には同好会であるが、所属している人数は二桁のため、同好会の中では人数は多い、あまり活動に来ない『幽霊部員』という存在が半分ほどいるのだが
「問題、日本に生息するト/ンボ−−」
押したのは、さっき間違えた男だった
−−今度こそ−−
男は息を吸う
−−正解する−−
そして、叫んだ
「ハッチョウトンボ!」
−−どうだ
再び、不正解のブザーが鳴った
−男は失格した
「やっぱり、ついてないな」
部活動が終わり、ちょっとしたトラウマのようなもやもやしたものを抱え、男は帰宅した