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本当に今の世界を去りますか?  作者: si-ta
第2部 始まりの少女
12/30

12.《M1911》

 



「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」


「じゃあ今日はここまでですね。この後はいつも通り食料を取って来て下さいね。」


「はぁ、はぁ、は…い……。」


 ヒナさんとの修行が始まって2週間がたった。朝は(ヒナさんに隠された)食料集め、昼からは近接格闘の訓練、それが終わればまた(ヒナさんに隠された)食料集め、寝る前に筋トレ。の永遠ループ…。


「はぁー。もっと異世界っぽく魔法とかぶっ放したいよなー。ファイヤーボールとか、サンダーボルトとか。」


 まぁ嘆いてもしょうがないよな…。近接格闘もやっとヒナさんにようやく一撃が当たるようになったレベルだし…。でも!でもせめて、剣とかナイフとか使いたい……。


「はぁ、さっさと食料集めて帰るか……。」



──────────────────────────────



「今日から射撃訓練に入ります。」


 いつも通り朝の食料集めが終わり、昼の修行に入る前だ。


「え?射撃?」


「はい。これはちょっと改造してますけど、普通のエアガンです。《M1911》1985年までアメリカ軍で正式に使われていた拳銃です。通称《ガバメント》です。」


「ちょっと待って下さいよ!なんで?いつもの近接格闘の訓練は何でしないんですか?しかも何で射撃訓練?そこは魔法とか剣とかじゃないんですか?」


「修行を始めて2週間でようやく一撃与えれるレベルですよ。それで平均か平均よりちょっと上レベルです。それなら、先にこっちを鍛えます。魔法は後で習えますよ。」


「……あれで平均レベルですか…。」


「大丈夫ですよ。その平均レベルを補えるように銃を使うのですから。頑張りましょうね。」


「うっす…。」


「とりあえず打ってみましょうか。40m先に的がありまよね。あれに向かって打って下さい。使い方は分かりますか?」


「多分大丈夫です。」


 FPSでの知識しかないけど…。


「とりあえず打ってみます。」


 引き金を引き銃を的に向け構える。


 パン!!


「外れですね。今日中に当たるようにして下さい。7発連続で当たるようになれば及第点です。食料集めは私がしますので。頑張って下さい。」


「うっす!」



──────────────────────────────



「《ガバメント》か…、おれのやってたFPSにはなかったけど……。」


 また外れか、次はもうちょっと上を狙って…。


「ヒット!うっし!何とかなりそうだな!」


「次も当たり!」


「調子はどうですか?」


「いけそうです!」


「そうですか。射撃の方は近接格闘よりセンスがいいみたいですね。後何発ですか?」


「5発……、今当てたので後4発です。」


「分かりました。4発当たるか、外したら夜ご飯にしましょう。」


「うっす!」


 よし、集中しろ……。


「よし!」


「後、3発ですね。」


 後3発だ、落ち着け……。


「ふ〜。」


「後2発です。頑張って下さい。」


 何も考えるな、集中しろ。


「………。」


「ラストです。気を引き締めて下さい。」


 最後!集中しろ!



──────────────────────────────



「無事今日中に終わりましたね。ギリギリでしたよ。」


「はい…。もう寝たいです。」


 6連続当たった時は結局7発目で外し、その後も何回かしたが、一度成功せず、さっきのラストチャンスでようやく成功した。


「はい。今日はもう遅いですしね。寝ましょうか。」


「先に寝てて下さい。筋トレして川で水浴びをした後すぐ寝ます…。」


「ふふ。その言い方だと、いつも一緒に寝てるみたいですね。」


「そっ、そんなんじゃありませんよ!それじゃあ、おやすみなさい。」


「はい。おやすみなさい。」


──────────────────────────────


 朝也が水浴びをしている間に寝る準備をする。


 最近は食料を隠していたので、寝るのは久しぶりですね。


「朝也ごめんね。6連続まで成功した時…。」


 そもそも今日中に終わるとは思っていなかったんですよ…。それを夜ご飯前にだなんて…。私ちょっと……。


「イタズラしていまいました。」


 7発目を魔法で無理矢理外されたなんて知らずに朝也は月明かりの中、夜の寒さを感じながら水浴びをしていた。



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