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チート過多でのファンタジーライフ  作者: 老 左伝
第1章~子供時代1~
5/42

(5)食べ物への執着はどの世界も一緒のようです

無双するはずだったのに、なんか、予定と違う!

戦闘はどこへ?


質問が多かったので:6歳からみたいですけれど、これは「(5)~(9)の途中」をエンドレスでご覧下さい。

 





 皆様お久しぶりです。『ディル』です。 つい先日、6歳になりました。

ジルド皇国のエスクランス公爵家の長男として生まれた僕ですが……


 なにが!  どうして!  こうなった!?


 ただいま地獄しゅらばを見ています。

あぁ…走馬灯が見える……
















――――――――――――――――――――――――――――――――――――
















 重力修行を初めてから、一年程が経過した。あれから重力は4倍まで耐えられるようになったし、体も妙にがっしりしてきた気がする。

一回5倍まで試したが、かなり眩暈めまいがしたので4倍に慣れてからにしたほうがいいと思って4倍で止めている。

重力修行まいにちのくんれんのおかげで食欲もかなり増した。

ステータスの方は




 名前:ディル

 性別:男

 種族:人間種ヒューマン

 年齢:Age4


 所属:ジルド皇国

 職業:公爵家長男

 レベル:Lv3(重圧4倍:身体能力1/4)


         現在値《補正値(元値)》

  HP/生命力:1500/1500(50)

  MP/精神力:11249/11250(50)

  攻撃力/力:12/12《50(9)》

  防御/体力:13/13《52(10)》

  命中/器用:32/32《130(9)》

  魔力/賢さ:50/50(8)

  回避/敏捷:13/13《52(10)》


SKILL 超能力:Sr101

    道具/魔道具:Sr120

    武芸全般:Sr32

    魔法/属性魔法:Sr40

    第六感/思考/並列思考:Sr18

    魔眼/鑑定眼Max

    神の欠片Lv1

    天使の加護




 順調に強くなっているようだ。隠蔽いんぺいもうまくいっている、と思う。

それにしてもお腹がすいた。

いい修行にはなるがその分消費カロリーも凄いみたいだ。

悟Oがよく食べていたのはこのためだったのかもしれない、あそこまで食べるのは無理だけど…


 空腹が我慢できなくなって厨房へ顔を出してみる。


親方ハンスさん、いますー?」


「あら、坊っちゃま。ハンスさんなら買い出しに行きましたよ。なんです、つまみ食いにでも来たんですか?」


「あ、エレナ、違うよ。おやつ作ってもらおうと思っただけだよ」


 厨房にはコック長ハンスの助手をしているお姉さんしかいなかった。

間違ってもオバさんとか言ってはいけない。

子供でも…言って良い事と悪い事があるということを…身を持って…知らされた。

現在、家の中で怒らせたらいけない相手のナンバースリーだ…


「坊っちゃまなんか、変なこと考えてませんか?」


 にっこり笑顔だけど妙に迫力がある。

なんでこうカンが鋭い女性が多いんだろうか。


「いや、何も。おやつをどうしようか考えていただけだよ」


「そうですか、とは言いましてもおやつ作れそうなハンスさんは、『ガッハッハ、今日こそは至高の一皿を造り上げてみせるぞぉぉ』とかいうテンションで新鮮な食材を求めて買出しに行っちゃいましたし、あたしだと坊っちゃまに食べていただくようなおやつ類はちょっと自信ないですし、どうしましょうか」


 どうやらうまく切り抜けたみたいだ。

それに、ハンスさんなにやってんの? またお酒とか飲んで飛び出して行ったんじゃないのか?

あれでも腕だけはいいから、本気で『至高の一皿』が完成するかもしれないなぁ。

それにしても、おやつどうしよう。


 エレナが作るおやつ?は『ちょっと古くなって固いパン』に『残ったスープ』をかけたものだとか、「余ったパスタ」をいて塩を振ったものとか、いわゆる『まかない系』が多いんだよなぁ。

もちろん、そういう料理に不満はないんだけど、貴族にそういうのを食べさせた、となると、頑固で融通が利かないウチのメイド長辺りナンバーツーが、エレナにいちいち文句を付けに来るからな…

アレは聴いてるこっちがエレナに申し訳なく思えてしまうから、回避したほうが無難だよな。

とすると、自分で作るしかないわけか…前世ぶりだけどやってみるのも良いかもしれない。


「エレナ、ちょっと試したい事があるから手伝って、命令だよ♪」


 そう言って料理の手伝いをさせる。

こうしておけば僕が勝手にやったことだということで責任は僕にくるはず。

エレナにしても貴族の坊っちゃまが道楽で強引に始めたので止められませんでした、ということにすればとがめられることはないはずだ。

策というほどのモノでもないが、言い訳にはなるはずだ。


 小麦粉をカップ2杯と重曹スプーン1~2杯に砂糖をカップ半分、さらに塩を少々、それらをよくかき混ぜて、そこに卵2コと搾りたてミルクをカップ7割くらい、隠し味にはちみつやバニラ香料を少々を加えて、さらに混ぜる。よく混ぜたらホットケーキの生地タネのできあがり。

それをバターで焼けばホットケーキの完成だ。


「よーし、いい匂いがしてきたぞ。もうすぐ完成だ」


「坊っちゃま、これは一体なんでしょう? こんなの、見たことも聞いたこともないですよ。パンみたいですけど、フライパンで作っていますし、なんかフワフワしてますよ」


「これはホットケーキっていう食べ物だ」


「ほっとけーき、ですか?」


「この焼いた生地にバターやジャム、はちみつなんかをかけて食べるんだ」


「うわぁ、それは美味しそうですね。しかも割と簡単にできるんですね」


「じゃあ、どんどん焼いちゃおう」


「はい!」


 4歳児の指示で大人を動かすというのもちょっとアレだが、身分が違うとこういうことも当たり前になってしまうんだよなぁ。

まぁ、無茶な要求はしない様にしないといけないし、同意してもらってから動くようにはしているし、お腹すいたし、嫌われてはいないようだから良しとしよう。


 ……そんな日々を過ごしていたら、いつの間にかお客が増えていた。

どうやら甘い匂いに連られてメイドが何人か集まってきたようだ。 

うらやましそうな視線に負けて、一緒に食べるように誘って席で待たせる。

坊っちゃまの道楽ということで自分からやってますという態度を崩さないためにメイド達の協力を断って追加の生地タネを焼いていく。

楽しそうな演技も忘れない、実際に面白くなってる部分が、無きにしも非ずといったところだ。

でも、焼く枚数が増えたため、自分の分を食べる時間があまり取れない。

今日はまだ2枚しか…まぁそれは自業自得で仕方ないんだけど……


父さま・・・、いつ来たんです?」


 何故か、僕の父親である公爵家当主ベルハルトまでメイドと一緒に席についていた…

しかも最前列いちばんまえで…メイド達は遠慮してか少し離れたところに移動していた。


「いや、何、軽い鍛錬の後にいい匂いがしてきたものだからな、ついこっちに足が向いてな、そうしたら我が息子が面白いものを作ってると言うじゃないか、これは是非食べてみないといかんと思ってな、はっはっは」


 はっはっは、じゃないよ、まったくもう。

いつの間にか父さまの分も作ることになってしまっていた。

まぁ仕方ない、諦めて作ろう。 

しかし、いま思えばこれが最初の引き金だったかもしれない、本当に……




 さらに数日後、息子の料理を食べれなかった母さまが私にも作って~、とお願いしてきた。

どうやら父さまが自慢して言いふらうらやましいだろうしたらしい。

アンタなにしてくれるんだ! とも思わなくもなかったが、自業自得なので仕方なく、作ることにした。

鮫の軟骨からゼラチンの精製に、ごく少量ほんのちょっぴりだけど成功したので、今度はゼリーに挑戦してみた。

大好評だった。





 そんな日々が続いて一年ほど過ぎた頃、大切なお客様が来るのでその時に驚かせたいので何か振舞って欲しいと言われた。

なんか、深みにはまりそうな嫌な予感もしてきたのだが、拒否する理由が思いつかなかった。

仕方なくお客様の人数を聞き、春になり暖かくなってくる季節に丁度良いかと思い、「アイスクリーム」のレシピを思い出してみた。


「搾りたてミルク、砂糖、卵黄にバニラ香料、あとは絞ったミルクの乳成分から浮いた生クリームを集めて…さてと、これで全部かな、あとは氷魔法と土魔法で保存しておけばアイスの材料は大丈夫かな?」


 修行中、屋敷の書庫で魔法の初心者用の教本を読んでおいたおかげで魔法も自在に操れるようになっていた。

ただ、戦闘でデビューすると思っていた魔法なのに最初に使うのが料理になるなんて……まぁ便利だから使わないと言う選択肢はないんだけど…

クッキーの方も材料は十分にあった。

レシピ知ってる言い訳用に、超能力の念写と物質劣化を利用して『古そうにみえる偽装文書ぎそうもんじょ』も用意はしたけど、見せる機会は今のところ特にない。

まぁ準備だけはしておかないとマズイだろう。


 さてと、じゃあ明日来る予定のお客様のためのデザートのアイスクリームとクッキーを作る準備はこれで良し。 

人数分の材料は確保できた。



 しかし何で料理人みたいになってんだろう、僕……


次回、出会い、精霊、コンタクト!



思えばここが引き金だったのか……

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